筆者は猫舌である。ラーメンやコーヒーにいつも苦戦しつつ、ついヤケドを覚悟で食べてしまう(あとで超後悔)。まわりから「もっと冷めてから食べればいいじゃん」と突っ込まれるのだが、たとえ猫舌だろうと熱いものは熱いうちに食べたいのだ!
そう、熱いものは熱いうちがいちばんおいしい。冷めたコーヒーは妙にまずいのである。逆に冷たいものがぬるくなってもかなり微妙な味わいに…。
実はこれ、ちゃんと理由がある。それぞれの「味」には味わうのに最適な温度があるのだ。今回は「味」と「温度」にまつわる興味深い雑学をご紹介するぞ!
【人体雑学】「味」は温度によっておいしさが変わる
【雑学解説】超激熱のもの、低温すぎるものは美味しさを感じにくい?
人の味覚は基本的に「甘・酸・辛・苦・塩」の5味からなり、そこに「旨み」を加えた6種類といわれている。この味わいはそれぞれいちばん強く感じる温度帯が異なっている。
味に関わらず、グツグツに熱いもの(沸点近く)や超冷たいもの(5度以下)はどれも味を感じにくく、この状態で味見するとあとで後悔することになるのを覚えておこう。
甘味
まずはじめに「甘味」だが、これは体温近辺がもっとも感じやすくなっている。常温の甘さはかなり強く感じるため、甘みをつけすぎると甘ったるくなるから要注意だ。
酸味
つぎに「酸味」。温度に関わらず酸っぱさを感じることができる。ただし、温めすぎると酸が蒸発して鼻の粘膜を刺激するので、料理中に酢を入れるときは温度に注意しよう。
辛味
「辛味」も酸味とほぼ同等だが、辛み成分も熱いと蒸発してむせるような刺激になってしまう。また、辛味は舌で痛覚として認知されるほど刺激的なので、熱々の激辛カレーなどは特に注意が必要だ。涙と鼻水が止まらなくなる…。
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苦味
「苦味」は熱いと柔らかくカドがとれた味わいになり、冷たいとシッカリ感じる。強すぎる苦味はおいしくないと認知されるため、冷めたコーヒーは苦く感じる=おいしくないというわけだ。
塩味
最後に「塩味」だが、これも温度が高いとマイルドに感じ、冷めると強く感じるのでキツい味わいに変化する。味噌汁が代表だが、冷めるととてもしょっぱく感じるものなのだ。
【追加雑学①】缶コーヒーやアイスクリームはダイエットの敵!
5度以下は味が感じにくいにも関わらず、アイスクリームはとってもおいしい(筆者は甘党である)。なぜ冷たいのに甘くておいしいと感じるのだろうか?
アイスクリームは甘みより先に冷たさが舌を刺激する。そのあとで、体温で溶けたクリームの甘さが後追いで感じられる。与えられる刺激が2段階あるので、特においしく感じるのだ。
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さらに、アイスクリームは冷たくても甘さをしっかり感じられるように、かなり強い甘みをつけてあることが多い。これは冷たく冷やして飲む市販の缶コーヒーも同じで、入っている砂糖の量が半端ないようだ。
これを知らずにアイスを食べ、いつも冷たい缶コーヒー(砂糖入り)ばかり飲んでると…ダイエットからほど遠くなるので要注意である。
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これはおもしろい! 缶コーヒーの砂糖の量、あなたは直視できる?
缶コーヒーをひたすら煮詰めて砂糖を出現させるおもしろ動画がこちらだ。これを見てしまうと、ブラックコーヒーに切り替えたくなるかも…。
【追加雑学②】季節によっても味覚は変わる
日本には四季がある。味付けの繊細な日本料理が、この四季を意識しないわけがない。日本料理の世界では四季どころか日々の気温によって味付けを変えているというから驚きである。
その日の外気温によって温度や味つけを変えるのだが、ベテランの料理人でなければ分からない程度のさじ加減なのだ。
また、お吸い物は「夏は塩がち、冬はしょう油がち」といわれ、汗をたくさんかく夏は塩気を強くする。逆に寒さで体が縮まる冬は、旨味の強いしょう油でほっこりしてもらおうという配慮である。
暑いときに酸味が強いものを求めるのも味覚が関係しているので、梅や酢を上手に取り入れて暑気払いをするのだそうだ。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。暑い季節はほぼ毎日アイスクリームを食べてしまう筆者。仕方がない、味覚が冷たい甘味を求めているのだ(自重しろ)。いい気になって甘くて冷たいものを食べ過ぎると、砂糖を大量に摂取することになるので注意しよう。
熱い料理は熱いうちに、冷たい料理は冷たいうちに! 出された料理は適温のうちに食べるのが一番なのである。猫舌のみなさん、ヤケドに気を付けて戦いを挑んでほしい。
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