皆さんのご家庭の味噌汁は何色だろうか。いろいろな料理で使われる日本の伝統食品の味噌には赤味噌と白味噌がある。
今回の雑学では、赤味噌と白味噌の色や味の違いなどについてご紹介しよう。紅白味噌合戦の開幕だぜッ!
【食べ物雑学】赤味噌と白味噌はどう違う?
【雑学解説】赤味噌と白味噌に色の違いが出る理由とは?
同じ味噌でもなぜ色に違いができるのだろうか。
それは、味噌を作る過程で起きる「メイラード反応」という現象によって起きるのである。「メイラード反応」とは、原料である大豆や麹に含まれているアミノ酸と糖が反応し、茶褐色へと変色することだ。
それぞれの作り方から色の違いについて紹介しよう。
赤味噌
赤味噌は、大豆の浸水時間を長くして蒸して作る。
蒸すことでも変色するが、糖質やタンパク質が麹の酵素で糖やアミノ酸に分解されやすくなるため、メイラード反応が起こり、茶褐色に変色する。また、作る際の熟成期間が長いことも、変色する要因となっている。
白味噌
白味噌は、大豆を煮ることで、茶褐色に変色する糖質やタンパク質が水に溶けて取り除かれるため、メイラード反応が抑えられる。
また、変色しないような麹菌を使ったり、作る際の熟成期間が1~2週間と短いことも、変色しにくい要因となっている。
赤味噌:大豆を蒸す⇒メイラード反応あり⇒茶褐色
白味噌:大豆を煮る⇒メイラード反応なし⇒クリーム色
大豆を蒸すか煮るかの違いで、あんなに色が変わるとは不思議である。
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【追加雑学①】赤味噌と白味噌の味と塩分の違いは?
では、赤味噌と白味噌で味や塩分の量に違いがあるのだろうか。
赤味噌
赤味噌は、熟成期間が長いためコクがあり、塩分濃度が高く(7%~13%)塩辛い味が特徴である。
白味噌
白味噌は、熟成期間が短いため赤味噌よりも塩分濃度が低く(5%~7%)、麹の糖分があり甘味が特徴である。
ちなみに、塩分の摂りすぎは老化の原因になるので、気になる人は白味噌にしてみるのもいいかもしれない。塩分に関しては、白味噌が頭一つ抜け出した感じだ。
【追加雑学②】赤味噌と白味噌が作られる地域の違いは?
続いては生産地について見てみよう。
赤味噌と白味噌で、作られる地域に違いはあるのだろうか。
赤味噌が作られる地域
赤味噌は、関東・東北・北海道など東日本を中心に作られている。種類としては、津軽味噌・仙台味噌・会津味噌などがある。寒い地域は味の濃い料理が多いので、赤味噌が主流だと考えられる。
赤味噌の料理といえば、味噌田楽や味噌カツなどがある。味噌の味をしっかりと感じられる料理にぴったりだ。ご飯のお供には赤味噌の方が合うかもしれない。
白味噌が作られる地域
白味噌は、近畿・岡山・広島・山口など西日本を中心に作られている。
種類としては、西京味噌・府中味噌などがある。寒い地域と違い、京料理など味が薄かったり甘かったりする料理が多いので、白味噌が主流と考えられる。
白味噌の料理といえば、西京漬けや京雑煮などがある。やはり京都でよく使われているイメージが強い。私は白味噌の甘い雑煮が好きだ。
【追加雑学③】赤味噌と白味噌の栄養とカロリーの違いは?
さらに、赤味噌と白味噌で栄養やカロリーに違いはあるのだろうか。
結論から言うと、一部を除いて基本的な栄養に違いはない。どちらも銅・鉄分を多く含んでおり、健康に良いのである。そのほかにも、食物繊維・葉酸・タンパク質・マグネシウムの量も、赤味噌と白味噌では差はないのだ。
カロリーについても同様で、赤味噌の方が若干カロリーは高いがほとんど同じである。
赤味噌:35kcal/大さじ1杯
白味噌:33kcal/大さじ1杯
栄養とカロリー面からみると、味の好みで赤味噌・白味噌を選んでも良さそうだ。ここは赤白、引き分けといった感じか。
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【追加雑学④】朝は赤味噌、夜は白味噌がおすすめ!
最後に、赤味噌と白味噌の特徴的な栄養素から、食べるタイミングについて紹介しよう。
赤味噌は朝食向き
赤味噌は、朝食向きといわれている。赤味噌に含まれる主な栄養素について紹介しよう。
①メラノイジン
メラノイジンは茶褐色の色素で、活性酸素を除去したり腸内を刺激して代謝を上げてくれる。
②ペプチド
中性脂肪を減らして、代謝を上げてくれる。また、抗酸化作用もあり、アンチエイジング効果が期待できる。
③サポニン
コレステロールを下げてくれる。
このように代謝を上げてくれる栄養素が多く、朝食に食べることで身体の目覚めを促してくれるため、1日のスタートにもってこいではないだろうか。
白味噌は夕食向き
逆に白味噌は、夕食向きといわれている。白味噌に含まれる主な栄養素について紹介しよう。
①GABA
GABAは脳の興奮を抑えてくれる神経伝達物質で、イライラを和らげて、ストレス軽減やリラックス効果がある。また、脳の興奮による過食を抑える効果もあり、ダイエットにも使える。
②乳酸菌
白味噌は、乳酸菌も豊富に含まれており、スプーン1杯でヨーグルト100gと同じだけの乳酸菌を摂取できる。腸内環境の改善に使える。
白味噌は、GABAに脳の興奮を抑えるリラックス効果があるため、白味噌を夕食に食べることで、不眠を和らげてくれるのではないだろうか。
効果の多さに関しては、赤味噌が一歩リードだ。
赤味噌と白味噌の雑学まとめ
今回は赤味噌と白味噌の違いについての雑学をご紹介した。
味噌の味や色の違いが原料の違いではなく、大豆を蒸すか煮るかの違いによるものとは思わなかった。正直、赤味噌と白味噌で甲乙はつけがたい。どちらも美味しいし健康に良いのだ。
もちろん、地域によって使う味噌は違ってくるが、今回ご紹介した時間帯によって使い分ける方法も良いのではないだろうか。赤味噌と白味噌のそれぞれの特徴をうまく利用して、1日のリズムを作るのもありだろう。
ちなみに、ずるいようだが、私は合わせ味噌派だ。これから赤味噌と白味噌の使い分けをするかは検討中である。
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