「青じそ」と「大葉」って一見そっくりだけど、何が違うの?
こんな疑問を持ったことはないだろうか。たしかに…大葉と青じそは非常によく似ている。というか、どっちも同じなんじゃない? …まったくその通りで、大葉と青じそは同じ植物である。
…じゃあなんで青じそって呼ぶ場合と、大葉って呼ぶ場合があるんだ? 通称みたいなもんか?
おおざっぱにいってしまえば、それも間違いではない。しかしそう呼び分けられるようになったことにも事情がある。ということで今回は大葉こと青じその雑学を紹介しよう!
【食べ物雑学】青じそと大葉の違いとは?
【雑学解説】「青じそ」と「大葉」は植物的にいうと同じだが…
実のところ「青じそ」と「大葉」は、どちらも「シソ科シソ属アオジソ」という植物のことを指している。つまり植物としてはどちらも同じ青じそである。そう、「植物としては」。
じゃあなんで、青じそのことを大葉と呼ぶの? という話だ。それは商品化する際の都合である。
青じそという植物は双葉として芽吹いたばかりの、「芽じそ」の状態と、葉っぱが大きく成長した「葉じそ」の状態、どちらも食材として利用できる。
しかしそれぞれ見た目も違えば、料理に使うときの用途も変わってくるため、成長段階でその呼び方を区別して売る必要があったのだ。
そこで葉じそに付けられた商品名が「大葉」である。「青じそのなかでも、芽吹いたばかりのものではなく、葉っぱが大きく成長した状態のもの」として、このネーミングはわかりやすい!
間引いた芽じそは根っこを切って、昼飯で美味しくいただきました。 pic.twitter.com/f2ErCYX2kX
— Morris@同人ボードゲーム製作支援サークル:トロイホース (@rulutie) April 24, 2016
葉じそが最初に大葉という名前で出荷されたのは1961年のことで、静岡県の生産者がそう呼び出したのが始まりだという。
やはりわかりやすかったのか売り上げがよく、そこからどんどん全国区の呼び名になっていったのだ。
ちなみに花穂を付けた「穂じそ」と呼ばれる部分もある。
https://twitter.com/marysophy630/status/1170472955010142208
芽じそ・穂じそのどちらと比べても、大きな葉っぱを付けるのは葉じそだけ。その点、やっぱり大葉というネーミングはバッチリである!
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地域によって違う「青じそ」と「大葉」
青じそと呼ぶか大葉と呼ぶかには、どうやら地域差もあるようだ。大葉という商品名で流通しだした時期が違うからか、もしくは大葉の呼び名が流行り出しても使わなかった地域があるからか?
混在している地域もあるが、傾向としては以下のようになっているという。
- 青じそ派…中部地方から東側を中心に29都道府県
- 大葉派…関西から西側を中心に22府県
大葉という呼び名は静岡県の人が考えたものだが、その最初の出荷先は大阪の市場である。関西で特に大葉の名前が浸透しているのは、このことが関係しているのだろうか。
使い方によって違う「青じそ」と「大葉」
どんな風に料理に使うかでも、青じそと呼ばれることが多いものと、大葉と呼ばれることが多いものがある。ざっと以下のような感じだ。
- 青じそ…ドレッシングなど
- 大葉…料理の添え物・巻物など
まず、ドレッシングになってしまえば、葉っぱかどうかなんてわからない。そのため風味をイメージしやすい「青じそ」という呼び方をされることが多いようだ。
一方、大葉と呼ばれるのは葉っぱの形が残っている場合が多い。たしかにこっちの呼び方のほうが、食材としての歯応えなんかは想像しやすい気がする。
…すごい! 青じそ・大葉という呼び方の違いは料理のイメージも左右している! 大葉ってほんとによくできたネーミングなんだなあ…。
【追加雑学】大葉の保存方法のコツとは?
大葉は刺身などの添え物に使われているのが一番イメージしやすいが、実はかなり万能な食材である。
その爽やかな風味から、炒め物に入れれば絶妙なアクセントになるし、天ぷらにするのもいい。煮だして「青じそジュース」にするのもおいしいし、もうなんでも来いである!
特に旬の時期にあたる5~9月には安く手に入るので、ぜひ冷蔵庫にストックしておきたいところ。ということで、大葉をいつでもおいしく食べられる保存方法を紹介しておこう!
大葉の鮮度を保つうえで、大切なのは何より水分である。
切らずに葉っぱのまま保存する場合は以下のように、茎の部分だけが水に浸かる形で、長細い容器を使って冷蔵庫に入れておこう。
https://twitter.com/cocochii0605/status/1257250064776364032
この状態で水を3日おきぐらいに交換すれば、2~3週間ほどはおいしく食べられるぞ!
また細かく切って保存しておく場合は、タッパーなどに入れて、上から水を含ませたキッチンペーパーを被せておくといい。切ったときに水に軽く浸してあく抜きをしておけば、この方法でもそれなりに長持ちするぞ。
切ってしまうと鮮度が落ちるのは早くなるが、そのぶん冷蔵庫のスペースを取らないメリットはあるよね。
大葉は冷凍保存もできる!【動画】
ジップロックなどに入れて、冷凍保存しておくのも便利だ! 以下の動画でそのまま保存する場合と、刻んで保存する場合の方法が解説されている。
薬味に使うにもちょっと氷が溶けかかったぐらいがおいしい気もするし、炒め物などに入れる場合もそのままフライパンに投入すればOK。おまけに圧倒的に長持ちする冷凍はかなりおすすめである。
また2018年3月には、ヱスビー食品より「青じそチューブ」なるものも発売されている。これなら保存状態うんぬんを気にする必要もない! どんどん便利なものが考えられていくなあ…。
青じそと大葉の雑学まとめ
今回は大葉と青じそのネーミングにまつわる雑学を紹介した。
芽生えたばかりのものもあれば、花を付けた部分もある。単純に「青じそ」といってしまえば、たしかにどの部分なのかややこしい。
元はその区別のために名付けられた大葉という名前が、今となってはまるで植物そのもののようになっているのだ。
今度「大葉買ってきて」などと言われたらぜひ、「ああ、青じそね」と煽ってみよう!