環境への配慮や災害時の対策の観点から、自転車を利用する人が増えている。誰でも気軽に使用でき小回りも効く自転車は、日本人の生活に今や欠かせない乗り物になった。
しかし、歩道を猛スピードで駆け抜け歩行者に迷惑をかける自転車ライダーもいる。自転車は車道を走るべきというのは、よく知られているルールだ。
自転車を飛ばすなら車道でやらないといけないが、では車道なら時速何kmでも出していいのか。今回の雑学では、自転車の速度制限について紹介しよう!
【生活雑学】自転車に速度制限はある?
【雑学解説】速度制限がない道路でも安全運転義務がある。
日本では、自動車や原付などが安全に道路を走れるように「法定速度」や「制限速度」というものが道路交通法によって決められている。この2つ、どちらも同じように聞こえるが実はちょっと違うのだ。
まず、それぞれの用語について説明しよう。
法定速度
道路交通法で車種ごとに決められた速度。一般道と高速道路で異なり、一般道路の場合は自動車は時速60km、原付は時速30km、緊急車両は時速80kmまでしか出してはいけない。
高速道路では、大型貨物・トレーラー以外の自動車は時速100km、大型貨物・トレーラーは時速80kmまで。原付は高速道路には入れない。
制限速度
道路には速度制限標識というものがある。赤丸の中に数字が書いてあるやつだ。
丸の中に青字で40と書いてあったら、その道路は時速40kmまでしか出してはいけないという意味。交通状況などを考慮して設定された、その道路で出せる最高速度のことだ。
おすすめ記事
-
遅いから罰金&減点ね。車の運転には"最低速度違反"もある!
続きを見る
自転車にも安全運転義務がある
自転車には、「法定速度」が決められていない。そのため、標識がないところでは理論上、時速何km出しても良いということになる。
しかし、軽車両である自転車も標識は守らないといけないので、制限速度表示がある道路ではそれ以上のスピードは出してはいけない。
たとえば標識に「50」と書いてある道路で、原付が時速35kmで走ったらアウト。しかし自転車はそんな原付を横目に時速40kmで走り去っていっても問題ないというわけだ。ロードバイクなら、時速40kmくらい出せるらしいぞ!
ただし、道路交通法第70条で「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められている。
標識のない道路で時速何km出してもスピード違反にはならないが、道路状況によっては安全運転義務違反となり罰せられることもあるのだ。
【追加雑学①】「自転車は常に端を走らないといけない」はちょっと違う
「自転車は左側を走らなければいけない」というのは、誰もが知っているルールだ。事故防止の観点からもそれは守ったほうが絶対にいい。しかし、常に左側の端を走行しなければいけないという決まりはないのだ!
片側2車線の道路の場合、自転車は左側のレーンであれば真ん中を走っても良いと道路交通法第18条及び20条で定められている。
ただし、「後続車に追いつかれたら左に寄って追い越させなければならない」という決まりもあるので、必然的に左端を走ることになるのだが…。
標識のない2車線道路で周りに民家や人通りもない中、自転車で時速70kmくらいで走ることができれば、車にも追いつかれることはないので堂々と車道の真ん中を走行できるというわけだ。…まあ、現実的ではない。
スポンサーリンク
【追加雑学②】自転車の種類ごとの平均速度
自動車や原付と違い、自転車にはスピードメーターが普通は付いていない。ロードバイクやスポーツバイクにはサイクルコンピューターというものを付ける人が多く、それによって自転車の速度がわかるようだが、ママチャリにサイクルコンピューターを付ける人はあまりいないだろう。
上記で「ロードバイクは時速40kmくらい出せる」といったが、自転車のスピードは一体どれくらい出ているのだろうか。
普段自転車に乗っているときはあまり気にしていなかったが、気になったので平均速度を調べてみた。
- ママチャリ…子供 時速11km、大人 時速15km
- 電動アシスト自転車…時速17km
- クロスバイク…時速20km
- マウンテンバイク…時速20km
- ロードバイク…平均時速20~30kmだが、速い人だと時速60kmくらい出せる
ロードバイク速すぎ! 人力で動く乗り物の中で地球上で一番速いらしい。原付なんて余裕で追い越せちゃうんじゃ…? と思っていたら、以下のような動画を発見した。
は、速い! 会社に遅刻しそうなのか風になりたいのか…彼の状況はわからないが、とりあえず乗る人次第ではロードバイクは原付の比じゃないということはたしかだ。
雑学まとめ
自転車には法定速度がなく、標識のない道路なら速度制限がないという雑学をご紹介した。しかし! 自転車は自動車と同じ「車両」。
飲酒運転やスマホを操作しながらなどの危険運転は完全にアウトだし、標識がないからと時速何十kmも出すのも基本的にはダメだ。
違反した場合も、自転車だからといって大目に見てもらえるということはなく、それなりの罰則がある。免許もいらず気軽に使える乗り物だからこそ、常に安全運転を心がけよう!
おすすめ記事
-
知らないとマズイ!自転車の"飲酒運転"は道路交通法違反だぞ!
続きを見る