文学とは「言語表現による芸術作品」のことを指し、それらを研究し、創作する人のことを文学者という。そしてその文学者のなかでも、特に実力があり人気を博した人物達を「文豪」というのだ。
たとえば、太宰治・夏目漱石・森鴎外・芥川龍之介など、文学に詳しくない人でも知っているであろう錚々たる(そうそうたる)人物たちが「文豪」と称されている。今回はそんな日本を代表する文豪たちが、自らの代表作を武器に戦う漫画を紹介しようと思う。
文学が好きな人にとっては、「あの人の武器はこの代表作で、その仕組みは…」なんて考えるのも楽しいはず! 有名な文豪の名前だけしか知らない人も、「この名前聞いたことあるなぁ。え! この本の作者がこの人なの!?」なんて繋がりが見えてくるかも!
【サブカル雑学】武器は代表作!文豪たちがバトルする漫画がある!
【雑学解説】大人気漫画、文豪ストレイドッグス
登場するのは、多くの人に愛されてきた文豪たち。性格や逸話も密かに受け継ぎ、自らの代表作が異能力として武器になる。
現実ではバラバラな時間や場所で活躍していた日本の文豪も海外の文豪も、漫画の中では同じ時代・同じ場所に存在するのは奇妙な感覚ながら不思議と違和感はない。
代表作の本の題名や内容からどういった能力に結びつくのか、想像しながら読むのもこの漫画の楽しみの一つではないだろうか。
第一話のあらすじ
主人公、中島敦(なかじまあつし)は孤児院で育ちながらも、理由も解らず突然その孤児院を追い出される。空腹に耐えかね、次に出会った者を襲い財布を奪う! と決意する。
しかし出会ったのは川を流れている、人間…。思わず助けた敦。助けた人間は「太宰治」だと名乗る。
この太宰治、実は「武装探偵社」の一員であり、その組織はメンバー全員がなんらかの異能力をもっていることで有名だった。
探偵である太宰治が探していたのは「人食い虎」。その名を聞いて、「自分はそいつに殺されかけた」と言い張る敦。お金のない敦に報酬をちらつかせ、虎探しを手伝うよう仕向ける。
太宰と敦が、虎が現れるという倉庫で待機する中、太宰はおかしなことを言い出す。「君が街に来たのが二週間前、虎が現れたのも二週間前。君が川にいたのは四日前、同じ場所で虎が目撃されたのも四日前。」それが何を意味するのか。
ついに姿を現した虎。その正体とは…。
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メインになる登場人物紹介
文豪ストレイドッグスの主な登場人物をご紹介しよう!
中島敦(なかじまあつし)
能力名「月下獣」(げっかじゅう)。座右の銘が「生きているならいいじゃない。」というなんともネガティブな主人公。主人公以外のキャラが濃すぎて、あまり目立たないが、決めるところはしっかり決める! 心優しい青年。元ネタとなった代表作は「山月記」。
太宰治(だざいおさむ)
能力名「人間失格」(にんげんしっかく)。触れただけで異能力をすべて無効化させる。たびたび自殺を図っていたことでも有名な太宰は、漫画でもそれを継承している。しかしいつも敦が助けることになるため、漫画内ではお約束と化している。
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芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)
能力名「羅生門」(らしょうもん)。自分が着ているコートを獣へと変えることができ、その獣は凶暴であらゆるものを喰らい、切り裂く。言わずと知れた代表作「羅生門」、そして心身ともにあまり強くなかった一面が反映されている。
他にも、森鴎外(もりおうがい)は「ヰタ・セクスアリス」・中原中也(なかはらちゅうや)は「汚れつちまつた悲しみに」・与謝野晶子(よさのあきこ)は「君死にたまふことなかれ」などを異能力にし、多くの有名な文豪たちが登場する。
雑学まとめ
実在した文豪と文学を、異能力バトルアクションという全く違った世界と見事に融合させた作品である。代表作と異能力の結びつけもうまく組み合わされており、新しい文豪が登場するたびにその能力が気になって仕方がない!
日本だけでなく海外の文豪たちも出てくるため、よりおもしろい。筆者のお気に入りは、どんな漫画にも出てくる悪者でめっちゃ強いやつ、フョードル・ドストエフスキー、能力名「罪と罰」。見るからに悪そうな能力名だ。
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