「このブタ野郎が!」
太っている人の悪口を言うとき、そんなセリフを口にしたことはないだろうか。それ…実はすごい誉め言葉なんだぞ。というのも、ブタは実際のところ、相当なモデル体型の動物だからだ。
よってその悪口は本来なら「このモデル体型野郎が!」となる。全然罵れてない。
「またまた…ブタはどう考えても太ってるじゃないか…」なんて思うだろうか。そんな人は今回の雑学を読んで比べてみるといい。ブタより太っている人のほうがずっと多いのだから!
【面白い雑学】ブタの体脂肪率はモデル並みに低い
【雑学解説】ブタの体脂肪率はどのくらい?
みなさんが「ブタ野郎」と悪口に使っているブタさんは、実は脂肪がとっても少ない。
その体脂肪率は食用にするためにブクブクと太らされた個体でも14~18%。イノシシなどの野生のブタになれば、13%を下回るほどである。
これがどのぐらいスリムかは、人間の体脂肪率の平均と見比べてみれば一目瞭然だ。
- 成人男性…11~21%
- 成人女性…21~34%
「ブタは太っている」なんて言おうものなら、男性はいざ知らず、世の中のほとんどの女性を敵に回してしまうことになるぞ!
女性で体脂肪率20%以下というと、ボディービルダーやグラビアモデルの世界の話。一般の女性がそこまで痩せていたら「痩せすぎ」と言われてしまうレベルである。
参考までに女性芸能人を挙げてみたいところだが…
ちょっと同列に挙げるのは失礼な気がするのでやっぱりやめておこう。
以下の動画を観てもらってもわかるように、ブタは決して太っては…。あれ…やっぱり痩せてるようには見えないんだけどな…。
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動物界でも低めなブタの体脂肪率
ここまで読んでくれた人のなかには「いやいや、動物と人を比べたら、そりゃあ体脂肪率は違うでしょ」と思った人もいるだろう。しかしブタの体脂肪率は、動物界でもトップクラスに低い!
体脂肪率低めの動物たちを並べてみると以下の通り。
- ニワトリ…約5%
- 馬…5~8%
- 猫…約18%
- 犬…約25%
- 牛…約30%
ニワトリに関してはさすが鶏肉がヘルシーなだけあって、プロボクサーも真っ青な体脂肪率で断トツのトップを飾っている。馬にしたって、もうアスリートみたいなものだから痩せているのは当たり前だ。
しかし…彼らのように身体が小さいものや、痩せている必要性がある動物を除けば、みんな軒並みブタよりも太っているではないか。
狭い隙間も顔さえ通ればすり抜けられると評判の猫でさえ、ブタに比べればデブなのである。
で…ちょっぴり意外だったのは、牛の体脂肪率が30%だということ。牛も「食べてすぐ寝たら牛になるぞ!」などと、デブの代名詞に使われがちな動物だが、人間でいえばいいとこぽっちゃり体型ぐらいだ。
まあそれでもブタがモデル体型だというインパクトには負けるが…。言われてみれば豚肉って牛肉よりあっさりしてて食べやすいよね。
【追加雑学①】ブタは綺麗好きってホント?
ブタの体脂肪率が低いというのはいかにも意外な雑学だったが、彼らにはもうひとつ意外な生態がある。
そう、これは聞いたことがある人も多いだろう。「ブタは綺麗好き」というヤツだ。
この説について、養豚場で泥だらけになっているブタたちを見ているとどうにも信用できないという人も多いのではないか。答えは"綺麗好きかどうか"という観点で見ると、「半分正解、半分間違い」である。
そもそもブタが綺麗好きといわれる根拠は…
- トイレと餌場・寝床を一緒にしない
- 一度「ここがトイレ」と決めたら、ほかの場所で用を足さない
- 水浴びを頻繁にする
といった生態からだが、これらには明確な理由がある。ニオイから、外敵などに巣を察知されないためだ。
ブタは家畜として品種改良されたものだが、その先祖を辿れば野生のイノシシなどに辿り着く。このニオイを消す習性は、その先祖のDNAから来ているものなのだ。
特にトイレにいたっては、ニオイが残らないよう、イノシシは川などの水辺を選んでする。
ブタも同じ習性をもっているので、清潔で広い場所で飼っていれば汚くなることはない。しかし…狭い場所で飼っていたらどうだろう?
トイレをするのは水場で、しかも頻繁に水浴びをしたがる。限られた空間でこんなブタを飼えば、トイレをした場所でバシャバシャと水浴びをし始めてしまう。
またブタは自分では体温調節ができないので、フンや尿を身体にまとわりつかせて体温を調節することがある。
うーん…環境さえ整っていれば、綺麗好きなのはたしかなのだが…。つまり必ずしも綺麗にするわけではなく、あくまで自分たちが快適に過ごせるほうを選んでいるわけだ。
以下の動画では、ブタたちが場所をきちんと決めてトイレをしている様子が紹介されている。
うん、このブタたちはたしかに綺麗だ!
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【追加雑学②】体脂肪率の高い動物は?
ブタはモデル体型だし、牛も意外と太っていない。やっぱり動物って基本はそんなに太ってないものなの? と思うところだが、動物界にだってやっぱりおデブさんはいる。
体脂肪率で見てみると、以下の動物たちが上位に食い込んでくるぞ!
- アザラシ…約50%
- ペンギン…約40%
- ホッキョクグマ…約35%
アザラシ! 君は身体の半分が脂肪で出来ているというのか! ペンギンにしたって、人間でいえば重度肥満で危険といわれるレベルだ。
ホッキョクグマは筋肉質なイメージ通り、前者2匹に比べれば体脂肪率が低くなっているが、それでも太っている。
少しダイエットしなければ、生活習慣病で早死にしてしまうよ…? と思うなかれ、彼らは逆にダイエットしたほうが早死にしてしまうのだ。
そう、もうお察しの通り、ここで挙げた3匹の動物はどれも、南極や北極など、極寒の地に暮らしている動物だ。みんな分厚い脂肪に身を包み、寒さから身を守っているのである。
以下の動画ではアザラシのおデブっぷりが堪能できる。跳ねるたびに地面にペチペチと脂肪が当たって、お肉の弾力が伝わってくるぞ!
水族館で暮らすならそこまで太る必要もなさそうだが…野生のアザラシはもっと太っているのだろうか?
これから太っている人に悪口を言うなら「このアザラシ野郎が!」と言おう。きっとその意図は伝わらないが。
「ブタの体脂肪率」の雑学まとめ
今回は人間でいえばモデル並みに低い、ブタの体脂肪率の雑学を紹介した。ブタより体脂肪率が低いのは、ニワトリのように小さな動物か、馬などのアスリートだけである。
これを踏まえると、まさにブタは動物界のモデルといって過言ではない。犬や猫だって、ブタを目の前にすれば「セクシー!」などと思っているかもしれないのだ! もはや「ブタ野郎」は悪口ではない。
ただ…女の人に「うわ~…綺麗ですね! ほんとブタみたい!」などと言えば、二度と口を聞いてもらえなくなることは、やっぱり間違いないだろう。
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