日本人ならやはり寿司! 寿司が食べられるとなれば目の色を変える人も多いだろう。
とはいえ本格的な寿司店のものはなかなか食べられない。手軽に寿司を食べられる回転寿司は、大人から子どもまでみんなのオアシスだ。
最近定番になりつつあるが、回転寿司の変わり種は見ていて飽きない。そんな変わり種の中でも、特に女性と子どもに大人気なのが「カリフォルニアロール」である。
見た目といい、カラフルな具といい、伝統的な握り寿司とは一線を画すカリフォルニアロール。その名前や誕生の由来には、実は日本人の知恵と工夫が詰まっているのだ。
今回はそんなカルフォルニアロールについての雑学を紹介していこう!
【食べ物雑学】カリフォルニアロールはどうやって生まれた?
【雑学解説】カリフォルニアロールが寿司を広めた
今でこそ世界中で日本食が食べられるが、1900年台初頭は寿司をはじめとした魚の生食文化は海外で馴染みのないものだった。
1963年、ロサンゼルスにあるリトル東京で開店した日本料理店「東京会館」では、お客の外国人が寿司をなかなか食べてくれずに苦労していた。
「生の魚を食べるのも抵抗があるのに、それを米と一緒に食べるなんて! おまけに真っ黒の得体のしれない物(海苔)は気味が悪い…。」
これを耳にした東京会館オーナーの小高大吉郎は、スシ・バーで寿司を握っていた職人の真下一郎に相談をする。そして外国人になんとか寿司を食べてもらおうと新メニューを試行錯誤した結果が、「カリフォルニアロール」となった。
考案当時の具は、アメリカでも馴染み深い茹でたタラバガニの脚身をマヨネーズで和え、アボカドと一緒に巻いたもの。海苔の見た目にとらわれず風味はしっかり味わってもらおうと、海苔をご飯の内側に入れて丁寧に裏巻きにした。
これが外国人にも大ヒット! 具にもさまざまなアレンジが登場。1980年台には日本に逆輸入されることになった。
【追加雑学①】スパイダーロールやフィラデルフィアロールとは?
カリフォルニアロールは見た目がケーキのようでかわいいこと、アボカドが日本でもブームになったことなどから女性を中心に大ヒットし、さまざまなアレンジが加えられた。
メインの具を揚げ物にチェンジし、アボカドの他にレタス・大根・キュウリなどを巻いたサラダ巻き風の「スパイダーロール」。
今では日本でも定番のサーモンを中心にし、アボカド・クリームチーズ・タマネギなどを巻き込んだ「フィラデルフィアロール」。
さらに最近では、ツナ缶・玉子焼き・かんぴょう・かまぼこなど生魚以外の食材を巻き、スイートチリソースやマヨネーズをつけて食べる「ハワイロール」も登場! 世界中でさまざまな進化を遂げている。
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【追加雑学②】世界最長のカリフォルニアロール
超長いカリフォルニアロールを作ろう! という、なんともビッグな挑戦をした大学がある。それがカリフォルニア大学のバークレー校だ。
そこには日本研究センターが併設されていて、ここがけっこう凄い。日本に関する書籍の蔵書数が全米第2位というのも凄いが、村上春樹・宮崎駿・緒方貞子・稲森和夫といった層々たるメンバーを招待しまくって講演会を行っている。
この日本研究センターでは、設立50周年を記念して、2009年11月9日に盛大な日本食祭りを開催。そこで行われたのが、世界最長のカリフォルニアロール作りだ。
使用された魚は80kgを超え、米約90kg・アボカドとキュウリが各36kgずつと破格のサイズ! 長さは330フィートとのことで、えぇっと、100mを超えているってことだよね…?
超楽しそう!世界最長ロールを巻いた時の動画
英語がわからない筆者だが、楽しそうな様子は伝わってくる。カリフォルニアロールおそろいTシャツがかわいいぞ!
カリフォルニアロールの雑学まとめ
カリフォルニアロールについての雑学を紹介してきた。
カリフォルニアロールはアメリカ人が考えたのかと思っていたけれど、考案者が日本人だというのは意外だった。今でこそ「sushi」は世界的に食べられているが、進出当初のアメリカでは生魚が受け入れられず苦労したのだろう。
筆者が特に感動したのは、「気味が悪い」と嫌がられた海苔を使わないのではなく、抵抗なく食べられる方向で考案した寿司職人の心意気だ。
巻き寿司は海苔の風味があってこそ。「この美味しさをぜひ味わってもらいたい」と外国人のためを思って作られたのだ。
カリフォルニアロールには思いやりと工夫が一緒に巻き込まれているのかもしれない。
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