人生の半ばを過ぎて振り返ってみると、大きな節目が6~7年ごとにあると気付く。
それは、新しいことへの挑戦であったり、人との別れであったりと、その節目の内容は良いことも悪いこともある。
人間の細胞が完全に入れ替わるのもだいたい6~7年とされている。
これが偶然なのか必然なのかは分からないが、大きな変化が起こったときに、それは細胞が入れ替わる自然の流れによるものだと考えることができれば、対処の仕方も変わってくるのではないだろうか。
今回は、細胞という小さな雑学テーマから、人生の節目について考えてみよう!
【人体雑学】人間の細胞は6~7年で入れ替わる
【雑学解説】組織によって細胞の入れ替わる年数が違う
理科の授業で、タマネギなど植物の細胞を顕微鏡で観察したことはあるだろう。植物に限らず、私たち人間も細胞のカタマリでできており、その数は成人の体で約40兆個ほどに及ぶそうだ。
細胞が新しく入れ替わるのはだいたい6~7年ほどだが、体の組織によって生まれ変わる年数は異なる。
いくつかの細胞を例に、入れ替わる周期を見てみよう。
- 赤血球:120日
- 骨細胞:90日
- 肌細胞:28日
- 胃の細胞:5日
- 小腸の細胞:2日
そう、細胞は儚いのだ。私たちが知らないところで絶えず生まれ、死んでいく。
ただ、上記の期間がそのまま生まれ変わる周期になるわけではない。たとえば、肌の細胞の周期は28日とはいえ、すべての肌細胞が同時に入れ替わるわけではない。
表面の細胞が剥がれ落ちても、その下にはすでに生まれた細胞が控えているのだ。それらも含めて体中の一新されるとなれば、もっと長い年月が必要になる。
このように入れ替わる周期は組織によって異なるものの、見た目には分からないレベルで総入れ替えするのが約6~7年ほどかかるというわけだ。
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入れ替わらない細胞もある
とはいえ、人の体に存在するすべての細胞が対象というわけではない。なかには、以下のようにずっと体の中に残る細胞もある。
- 脳の神経細胞:入れ替わらない
- 卵細胞:入れ替わらない
- 心筋細胞:年に1パーセント程度しか入れ替わらない
脳の神経細胞は一切入れ替わらない。生まれたときのものがずっと使われるのだ。アルツハイマーなどの脳の病気が難病であるのは、このことも関わっている。
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女性が保有する卵細胞や卵母細胞も、一生涯入れ替わることはない。
また、心筋細胞は年に1パーセント程度しか入れ替わらない。丸ごと入れ替わるよりも先に、人は死を迎えることになるだろう。
そのため、「6~7年で細胞が入れ替わる」というのは、一部例外アリだということを知っておかなくてはならない。
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【追加雑学①】入れ替わる周期が細胞によって違う理由は?
早く入れ替わる細胞とそうでないものの違いは、細胞が受ける負担によると考えられている。
肌や小腸の細胞が早く入れ替わるのは、外部からの刺激を多く受けるためだ。肌は常に空気中の菌やウイルス、風などの物理的刺激から体を守っている。小腸も消化された食べ物が接触するため、多くのダメージを受けることだろう。
ただ、負担が大きいという意味では脳神経細胞や心筋細胞も同じだ。何十年にもわたって働くのだから、その負担は計り知れない。
ただし、これらは複雑な機能を有するため、そう簡単に置き換えられないのだといわれている。
たしかに、脳の神経細胞が短期間でコロコロと入れ替わったら、周期的に記憶や人格まで変わりそうで恐ろしい……。
生き物の体が長い年月をかけて試行錯誤を繰り返した結果、今の細胞の寿命が最適だという答えが出たのだろう。
【追加雑学②】細胞が入れ替わるのになぜ病気は治らない?
人間の細胞がほとんど6~7年で入れ替わるとするならば、病気も細胞が入れ替わるから治るのでは? と思う人もいるだろう。
遺伝子が損傷していると、細胞に情報がきちんと伝わらないので、未完成の細胞ができてしまう。そのため、うまく修復できなくなり病気が治らないのである。
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【追加雑学③】細胞が入れ替わる年…!7の倍数の年齢前後は気を付けた方がよい
昨今の日本でも広く普及している、シュタイナー教育の発信者であるルドルフ・シュタイナーは、7年で人間の全ての細胞が入れ替わるといっている。そして、7の倍数の年齢の前後は気を付けた方がよいとも。
つまり、7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳、56歳、63歳、70歳、77歳、84歳、91歳、98歳である。その前後なので、日本の厄年の前厄や本厄、後厄などと被る年齢も多々ある。
シュタイナーの7の倍数の年齢も、厄年も、科学的根拠はなく、必要以上に怖がることはない。しかし、人間の細胞が入れ替わる、つまり体が変化する節目と考えて、自分の体の声に耳を傾けることが大切なのかもしれない。
「人間の細胞」の雑学まとめ
今回は、人間の細胞についての雑学を紹介した。
単調な人生を送っている人にも波乱万丈な人生を送っている人にも、人生の節目は多かれ少なかれあるものだ。
その節目のときに、それに抗うこともひとつの方法ではあるが、全ての細胞が入れ替わる時期ということを知っていれば、素直にその変化を受け入れることができるかもしれない。自分の体は40兆個の細胞でできていて、それらが変化の声を届けてくれているのだ。
6~7年という歳月は長いようにも思うが、地球の全人口が約70億人とされており、それをはるかに上回る数の細胞が新しく生まれ変わるのだから、むしろ短く、そして何度でもリセットできるということだ。
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