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ソメイヨシノが"花が先で葉っぱがあと"なのはなぜ?

zatsugaku

雑学カンパニー編集部

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ソメイヨシノは、なぜ花が先で葉っぱがあと?に関する雑学

私たちの周りに数多く存在するソメイヨシノ。満開の桜並木でデート? 会社のお花見? 公園で子供とピクニック? なんとなく気持ちもウキウキしてしまう。

花が開き始めたと思ったら、あっという間に満開になるソメイヨシノ。その姿にはとにかく圧倒される。…花が散った後の毛虫にも圧倒されるが…。

だが、なぜだ? 普通、植物というのは葉っぱが先に出てくるもんじゃないのか? なぜ一気に花が満開になって、花びらが散り始めてから葉っぱが出てくるんだろう。

そんな疑問を解消するべくいろいろ調べてみたら、驚きの事実まで発覚! ソメイヨシノのびっくり雑学を紹介しよう。

【自然雑学】ソメイヨシノは、なぜ花が先で葉っぱがあと?

ソメイヨシノは、葉のない枝からつぼみが出て、花が咲く。そして花が散る頃にようやく葉が出始める。これは、自然の摂理にもとづいた理由がしっかりあったのだ。

【雑学解説】ソメイヨシノの花が先に咲く理由は「受粉の方法」と「温度開花」

ソメイヨシノの花が先に咲く理由は「受粉の方法」と「温度開花」についてのトリビア

植物というのは、葉が茂ったあとに花が咲き、実を作るものが多い。だがソメイヨシノは、先に花が咲き、花びらが散るころになってから葉が出始める。たとえば同じ桜でも、ヤマザクラという品種は花と葉がほぼ同時だ。この違いはなんなのか?

これは、受粉する際の媒体の違い、そして開花するための条件の違いなどが関係しているそうだ。それぞれ説明しよう。

受粉する媒体が「風」か「虫」か

植物が実を作るには、受粉という工程が必要だ。風や虫が受粉の媒体となるのだが、ソメイヨシノのように花が先に咲く植物は、風を媒体とするものが多いといわれている。

風を媒体として受粉する場合、葉が茂っていると花粉が葉に付いてしまい、うまく受粉できない。そのため、先に花を咲かせてまずは風によって受粉させてから、その後に葉が出てくるという流れだ。

反対に、葉が先に出て花が後、というタイプの植物は、虫が受粉の媒体になるものが多いとのこと。虫は鳥に食べられてしまうが、葉が先に出て茂っていることで鳥に見つかりにくくなるのだ。

花が咲く温度と葉が出る温度は違う

花が咲く温度と葉が出る温度は違うというトリビア

植物の開花には、ある一定期間の累積温度と累積日照時間が関係している。累積温度で開花するものを「温度開花」、累積日照時間で開花するものを「日照開花」といい、ソメイヨシノは「温度開花」に分類される。

ソメイヨシノの開花予想としても使われる方法が、「その年の2月1日以降の最高気温を足していき、その累積温度が600℃になると開花する」というもの。

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ただしこれは花に限っての話。花と葉それぞれに累積温度の基準があり、ソメイヨシノは花の方が低く、葉の方が高い。そのため、花の方が先に基準となる累積温度に達するので、花が先で葉が後になるというわけだ。

花の元となる花芽は前年にすでにできている?

ソメイヨシノは、葉が落ちてから夏にかけて、翌年の花の元となる花芽を作り出す。私たちがお花見でワイワイ騒いだあとには、もう来年用の花の元を作るためにソメイヨシノは頑張っているのだ。

夏頃に花芽を作ったあとは生成をせず、そこからしばらくの休眠期に入る。そして冬の寒さがきっかけとなり目が覚め、春に向けて開花の準備を開始。暖かくなってくると花芽の成長スピードも速くなり、ようやく「開花~!」となるのだ。

では、「開花~!」となった様子を動画でどうぞ。

うわぁ~。なんだか…なんというか…桜が咲く様子がよくわかるしおもしろいんだけど…。なんだか不思議な生き物みたい。咲く直前ってあんなにつぼみがゆらゆら揺れるもんなのね…。

満開になったソメイヨシノの姿も紹介しよう。こちらは4月下旬にもかかわらず、かなり雪が降っている。桜と雪のコラボレーション。

ソメイヨシノに雪が積もってる…。桜といえば春、雪といえば冬。それが同時に…。なんとも不思議な光景だ。

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【追加雑学①】ソメイヨシノは桜で有名な奈良・吉野山の桜とは別物

「ソメイヨシノ」と聞いて、桜で有名な奈良の吉野山を思い浮かべる人もいるかもしれないが、吉野山に咲いている桜は「ヤマザクラ」といってソメイヨシノとはまったくの別物。そもそもソメイヨシノは、奈良ではなく江戸が発祥なのだ。

ソメイヨシノの始まりは、江戸の造園師や植木職人たち

「ソメイヨシノ」として最初に世に出たのは、江戸時代の末期のこと。現在の東京都豊島区駒込・巣鴨にあたる江戸・染井村の植木職人や造園師によってソメイヨシノは作られたという。

職人たちは、当時から桜の名所として有名だった吉野山にちなんでその桜を「吉野桜」と名付けたが、後に吉野山のヤマザクラとは全く違う品種であることが判明。

「吉野桜」という名前だと、吉野山のヤマザクラと混同するということで、染井村の「ソメイ」と吉野桜の「ヨシノ」をくっつけて「ソメイヨシノ」となったのだ。

ソメイヨシノは「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の交配種

ソメイヨシノを広めたのは江戸の植木職人たちだが、実はどうやってソメイヨシノを作り出したのか、その詳細ははっきりしない。しかし、その後の調査・実験によってソメイヨシノのルーツは解明された。

ソメイヨシノの特徴は、「先に花が咲くこと」・「上品で大きく、整った花を咲かせること」の2点。この2点と同じような特徴をもつ桜というのが、エドヒガンとオオシマザクラだ。

実際にエドヒガンとオオシマザクラを人工的に交配したところ、ソメイヨシノとそっくりな木が作られたことで、「ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの交配種」ということが結論づけられた。

【追加雑学②】全国のソメイヨシノは、実は全部クローンだった!

全国のソメイヨシノは、実は全部クローンだった!というトリビア

学校や公園、桜並木…。あっちにもこっちにもソメイヨシノが植えられている。しかしそのソメイヨシノ、実はすべて1本のソメイヨシノから生まれたクローンだったことを知っていただろうか。

は? どういうこと? 全部クローン? いやいや、そんな馬鹿な。

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そもそもソメイヨシノというのは、ソメイヨシノ同士では交配できないという性質をもっている。自家不和合性という、受粉して実はできるが芽が出ない植物なのだ。

それならなぜこんなに全国にソメイヨシノがたくさんあるのか。それは、1本の木をどんどん接ぎ木して増やしていったからだ。

土台となる台木に切り込みを入れ、そこにソメイヨシノを挿し込む。すると台木とソメイヨシノは切り口の修復作用が働き、1つの木となって再生する。

こうして再生して1つの木となったソメイヨシノは、元のソメイヨシノとまったく同じ遺伝子情報をもっている。まったく同じ遺伝子情報ということは、そう、クローンだ。

実際に、森林総合研究所が全国のソメイヨシノのサンプルを集めてDNAマーカーによる調査をおこなったところ、すべて同じ遺伝子であることが確認されたという。

雑学まとめ

ソメイヨシノが"花が先で葉っぱがあと"なのはなぜ?という雑学まとめ

今回紹介した、ソメイヨシノにまつわる雑学。全国に存在するソメイヨシノがすべてクローンだったというのはなかりの衝撃だ。しかし調査の結果、同じ遺伝子をもっていることが証明されたわけで、これはゆるぎない事実。いや~、びっくり。

累積温度が600℃になったら開花するという雑学も、知っている人は意外と少ないのでは? これは花見の席でのいいネタになりそうだ。

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