筆者は北陸地方出身のためか、ズワイガニを好んで食べる。
かにみそを食べるのは、新鮮なカニが手に入ったときだけなのだが、年に数回はいただく。甲羅に日本酒を注ぎ、かにみそと身を混ぜて焼くと実に旨い。触感としてウニに似ているが、濃厚さや風味は別格だ。
しかし、我々が普段かにみそと呼んでいるのは、カニの脳みそのことなのか? と疑問に感じた。体の部位で「みそ」とつくのは脳みそくらいだし…
そこで、かにみそと呼んでいる正体は何なのか? 今回はこの雑学に迫ってみたぞ!
【食べ物雑学】かにみそはカニの脳みそのことじゃない!
【雑学解説】かにみその正体は肝臓と膵臓を1つにした部位
かにみそは脳みそではなく臓器の一部だが、中腸腺と呼ばれ、食物を消化する際に役立つ部位。人間の体は肝臓と膵臓に分かれているが、カニの場合は一緒になっている。この部分が我々が普段呼んでいる「かにみそ」だ。
かにみそは栄養価がとても高く、火を通すとうまみが出ることから、簡単にいうと「肝」を食べているのと同じだろう。
肝といえばアンコウが有名かもしれないが、北陸地方の郷土料理はタラの肝。日本海側や北海道ではタラは簡単に手に入る食材のため、肝と白子をいれた「タラ汁」は名物でもある。
かにみそも肝と考えれば、あの濃厚さや味にも納得できる。
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【追加雑学①】かにみそが脳ではないということは、本当の脳はどこにある?
カニは神経がはしご状になっており、神経のすみに脳がある。目や口の近くにあるのだが、とても小さいため、殻を外しても見えることはないのだ。
カニは甲殻類だが「節足動物」と呼ばれる生き物。エビ・ザリガニ・ダンゴ虫・フジツボ・ミジンコなども同じ仲間だ。ダンゴ虫と同じ仲間なのか…と少し気がひける。
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【追加雑学②】なぜかにみそという名前?
会話をしていて「そこがミソなんだよ!」というセリフを一度は聞いたことがあるだろう。このときのミソは「重要な」または「大切な」といった意味をもつ。このことから、カニにとってミソとは重要な部分だから、かにみそと由来がきた節がある。
形状が味噌に似ているだけだった説
カニの臓器が味噌に似ていることから、かにみそと名付けられた説もある。
和食における基本調味料の「さ・し・す・せ・そ」をご存知であろうか。
- さ:砂糖
- し:塩
- す:酢
- せ:醤油
- そ:味噌
…であるが、味の決め手になるくらい味噌は必要不可欠な調味料だ。
カニの中でも味を決める部分はミソでもあり、見た目の色を含め、馴染みのあった調味料から命名したのではないかと考えられる。しかし、本来かにみそは肝の部分のため、「カニキモ」でもいい気がする…
雑学まとめ
今回はかにみそについての雑学をご紹介した。カニを食べるとは10本の指が必要で、「カニを食ってもガニ食うな!」と昔から聞かされてきた。それだけ食べるまでの工程が大変で、食べられる部分も身とかにみそだけだ。
また、日本の四大カニといえば、ズワイガニ・毛ガニ・タラバガニ・花咲ガニが有名である。
タラバガニはヤドカリと同じ仲間のため、火を通してもミソが固まらず美味しくない。かにみそを美味しく食べたい人は、ズワイガニや毛ガニを選ぶようにすると良い。
タラバカニは身を楽しむものだが、ズワイガニの中にもミソが入っていないハズレのものもある。そのため、市場やアメ横など専門店で購入するのがオススメだ。
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