ワニは巨大な顎をもち、噛む力が非常に強いことが知られている。素早く動けるようには見えない体型だが、水中で活動することが多いため、泳ぐスピードはかなり速いようだ。陸上での動きも意外に機敏である。
走るスピードも人間より速いワニは、驚くほど俊足だといわれている。ワニの足の速さや2億年前のワニの話、実在する人食いワニの雑学についてご紹介しよう。
【動物雑学】ワニは陸上を時速50kmで走る
【雑学解説】ワニは人間よりはるかに速く走る
ワニは大型の爬虫類であり、最大級のものでは7メートルを超える個体が確認されている。噛む力は非常に強く、2トンを超えるともいわれているのだ。
だが、ワニは基本的に水中で活動する生き物だ。足も短く、あまり速く走る様には見えないだろう。ワニに襲われても、走って逃げれば大丈夫と考える人もいるかもしれない。
しかし、ワニは人間よりもはるかに足が速い生き物だ。あまり速く走れないワニでも、時速20km程度で走ることができる。足の遅い人なら簡単に追いつかれてしまう速度だ。
足の速いワニは時速50kmで走るといわれており、俊足で知られるオリノコワニは時速60kmに達するという。これはウサイン・ボルトよりもはるかに速い。
ただし、ワニは持久力がないので、短い距離しか走ることができない。また、方向転換が苦手なため、ジグザグに逃げれば安全という噂があるが真相は不明である。
積極的に人間を襲うわけではないので、ワニには近づかないのが賢明だろう。ちなみに水中を移動するスピードは時速30kmだ。
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【追加雑学①】ワニは2億年前から存在した
ワニは非常に古い時代から存在している爬虫類だ。その存在は、2億5100万年前から約1億9960万まで続いた三畳紀から確認されている。恐竜よりも前に繁栄していたクルロタルシ類と呼ばれるグループの生き残りだ。
クルロタルシ類は恐竜と入れ替わるようにほとんど絶滅してしまうが、ワニだけはその後も繁栄したと考えられている。
ワニの姿は当時からほとんど変化していないといわれており、2億年以上前からほとんど進化せずに生き残ってきた爬虫類なのだ。クロコダイルの卵は1億5000万年前の地層からも発見されている。
恐竜が繁栄していた時代は、非常に多様なワニが生息していたという。10メートルを超えるワニもいたことがわかっている。恐竜が絶滅した白亜紀末期にはワニ類も大打撃を受け、多くの種類が死に絶えた。
しかし、それを乗り越えたワニ類は、現在でも生き残っているのである。
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【追加雑学②】世界の獣害事件のトップに君臨するのはワニである
獣害事件とは、獣によって人間が被害を受けた事件のことである。正確には人間以外の哺乳類が起こした事件のことだが、哺乳類以外の動物による被害も獣害事件に含むことが多い。
日本では北海道でエゾヒグマがおこした、三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)が有名だ。
海外のネット記事では、世界で起こった獣害事件ランキングトップ10などが公開されている。そのトップがワニである。
恐ろしい動物「パナーの人喰い豹」や「チャンパーワットの人喰い虎」は400人以上の人間を殺害しているらしい。チャンパーワットの人喰い虎の被害者は436人で単体の獣としては、最大の被害者を出したといわれている。
その凶悪な事件のランキングトップは巨大なナイルワニ「ギュスターヴ」だ。これはブルンジ共和国で300人以上を食い殺したといわれる。そして、その体長は6メートルを超えているという。
上の動画は6メートル級のイリエワニだが、ギュスターヴはさらに大きいかもしれない。
ギュスターヴは8メートル以上という意見もあり、ナイルワニの中で最大級なのは間違いないらしい。しかし、400人以上を食い殺した獣害事件があるのに、ギュスターヴが1位に入っている理由はなんだろうか?
実は、獣害事件の動物は基本的に駆除されているが、ギュスターヴは人間の手で殺すことができなかったのだ。ギュスターヴは機関銃などで銃撃されているが、それでも生きたまま姿を消している。
機関銃でも致命傷を与えられないギュスターヴの鱗は非常に硬く、防弾チョッキと呼ばれ、恐れられたという。2008年以降は目撃例がなくなり、死亡説も流れたが2015年に水牛を捕食した姿が目撃された。
ギュスターヴは現在でも生きているようだ。上の動画は「カニング・キラー/殺戮の沼」という映画の予告編だが、ギュスターヴが実名で登場する。
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ワニの雑学まとめ
ワニにまつわる雑学を紹介してきた。あまり長い距離を走る持久力はないが、ワニの瞬発力は高い。走って追いつかれることよりも、水中や茂みなどからものすごい速さで飛び出すほうが本当は恐い。
調べていて知ったが、外来生物として問題視されることも多いアリゲーターガーという魚もいるようだ。ワニに似た魚でこちらはワニではない。
ワニには注意してほしい。日本でも逃げ出したワニが捕獲された例がある。ワニに襲われる危険がゼロとは言い切れないのだ。