「離婚をすると×が付く」
こんな話を誰もが聞いたことがあるだろう。
芸能人の「明石家さんま」さんがテレビで広めたこともあり、離婚歴がある人を×の数で表す表現は、今や一般的なものとなっている。
しかし、×はどこに付くのだろうか?
明石家さんまさんは離婚発表の記者会見で額に×を書いていたが、実際に×が付くのは戸籍謄本の配偶者の欄である。しかも、電子文書化が進んだ現代においては、実は×も付かないのである。それどころか、実はこの離婚歴は隠すことができるというので、今回の雑学ではこれについて詳しく調べてみた!
【ルール雑学】戸籍謄本に離婚歴が反映されなくなる方法
【雑学解説】戸籍謄本の記載事項と離婚歴の記載
では、まず戸籍謄本にはどんなことが記載されているのかを改めて確認していこう。
戸籍謄本の記載事項
①本籍
②氏名
③戸籍事項
④戸籍に記録されている者(筆頭者)
⑤戸籍に登録されている者(配偶者や子供)
⑥発行番号
⑦発行日、発行行政庁の証印
以上が戸籍謄本(全部事項証明)に記載されている事項である。
自身のルーツを記載した書類とはいえ、意外と簡素なものである。なお、戸籍抄本(個人事項証明)の場合は配偶者等の記載が外れ、取得者本人の情報のみが記載されたものが発行される。
よく間違われる方がいるが、配偶者が戸籍謄本を取った場合も戸籍は世帯を対象としているため、あくまで筆頭者をメインとした同内容の戸籍謄本が発行されることになる。
戸籍謄本の離婚歴の記載
離婚した人の戸籍に×が付いたのは帳簿管理をしていた時代の話で、電子文書化された現代では×ではなく、配偶者の欄に「除籍」と記載されるのみとなっている。
元夫の戸籍の場合は、上記⑤の配偶者の欄に「除籍」と記載され、元妻の戸籍には上記④の自身の欄「離婚」と記載され、離婚日や配偶者氏名などが併せて記載される。
また、特に女性の場合は離婚後、戸籍を元の戸籍(両親の戸籍)に戻すか、個人の戸籍として新しく作成するかによっても記載内容が異なるが、これは次のフェーズでご紹介していくことにしよう。
なんにつけ、戸籍上にも×が付くことはなく、バツイチという言葉も今では現状に即していない言葉になっているということだ。
ちなみに、離婚すると離婚事由(調停離婚か、裁判離婚か)についても記載されるとの噂があるが、こういった内容が戸籍上に記載される事実はなく、いわゆる都市伝説である。
戸籍謄本の離婚歴を消す方法
厳密には離婚歴を”消す”ことはできないのだが、離婚歴を”隠す”ことなら結構簡単にできる。その方法とはずばり「転籍」。
本籍地を別の住所に移してしまうことだ。
本籍地は日本の住所であればどこにでも置くことができ、その手続きも案外簡単にできるもの。この転籍を行うだけで、離婚歴は隠すことができるのだ。また、一度本籍地を変更し、元の住所に戻したとしても、戸籍には離婚歴は記載されないという。
案外簡単な方法で離婚歴を隠すことができるのだが、離婚時の戸籍の所在の選択によって、その方法は若干異なる。
離婚をする際は役所に離婚届を提出するものだが、この離婚届には離婚後の戸籍を元の戸籍(親元の戸籍)に戻すか、新しく自身の戸籍を作るかを選択する欄があり、ここで離婚後の戸籍の所在を選択することになるのだが、元の戸籍に戻した場合、筆頭者の転籍が必要となるため、家族全員の本籍地の変更が必要となる。
他方、新しく戸籍を作った場合は、本人が筆頭者となるため、本人が転籍すればOKとなる。ただし、一度新しい戸籍を作った場合はもう二度と親の戸籍に戻ることはできないので、注意が必要だ。
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【追加雑学】戸籍謄本で隠れた離婚歴を調べる方法
離婚歴を隠すことができるのはわかった。しかし、離婚歴を隠している人とその事実を知らないまま結婚してしまうと、後々のトラブルにも繋がりかねない。
ここでは、今までとは逆に、隠された離婚歴を暴く方法をご紹介する。
1.本人の戸籍を調べる
戸籍を調べても離婚歴を隠されているので無意味な気もするかもしれないが、前述した通り、離婚歴は消えているのはなく、あくまで隠されている状態なので、元の本籍地には離婚歴は事実として残っているのである。
転籍された戸籍から、元の本籍地をたどれば離婚歴にたどり着くというものである。しかし、戸籍は本人、またはその配偶者、子しか取れないため、結婚前の婚約者等では勝手に取得することができず、結婚前に離婚歴を確認したい場合には少々遅い。
とはいえ、やましいことがない限り、結婚前提であれば戸籍を照会してくれる人も多いので、素直に「戸籍謄本を見せて欲しい」と言えば、離婚歴のない方であれば素直に応じてくれるはずだ。何かと理由をつけて見せない場合は多少疑ってかかった方がよさそうだ。
2.個人の戸籍を持っていないかをチェックする
離婚歴を隠すために転籍を行えば、通常、自身を筆頭者とした個人の戸籍になるため、親元を離れた戸籍を持っているということは疑いの余地あり、となる訳だ。
相手の戸籍を確認できそうなときはこういった点にも着目してみよう。
3.探偵を雇う
少々費用が掛かってしまうが、お金に余裕があればこれが一番確実で手間がない。探偵とは言え、戸籍を自由に取ることができるわけではないので、捜査の手法は聞き込みがメインになるが、自分でするよりも確実な仕事を期待できる。
雑学まとめ
戸籍上の離婚歴を隠す方法は転籍という、案外簡単な方法で戸籍上から婚姻の事実を消すことはできることがわかった。
離婚歴を隠すことが必ずしもいいことに繋がるとは考えにくいが、時には必要なときもあるかもしれない。そんな日が来ない方がいいのかもしれないが、この雑学は覚えておいて損はないだろう。
たとえ離婚歴があったとしても、結婚する側としては、できれば隠さずに教えてほしいものである。
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