2020年に開催される東京オリンピックで公式種目となった「馬術」。馬を華麗に操り、数々の障害物を飛越していく様はまさに「人馬一体」。
これまで、あまりテレビなどでも取り上げられることがなかった馬術だが、オリンピック競技となり、日本でもこれから注目されるスポーツの一つとなりそうだ。
馬術は一般人でも「乗馬」として楽しめるので、運動不足の人にはぜひおすすめしたい。しかし乗馬をするにあたっては、体重で悩んでしまう人もいるかもしれない…。だがこの雑学を聞いて安心してほしい。実は馬術には体重制限がない。
あまりに体重が重すぎると馬に負担がかかるため、制限が全くないともいえないが、制度としての制限は存在しないのだ。体重制限のイメージの根源は、競馬のジョッキーにある。
【スポーツ雑学】馬に乗るときの体重制限は「馬術」にはない
【雑学解説】馬術と競馬の違いとは?
競馬ではスピードが求められるため、ジョッキーの体重は軽量である必要がある。
また競走馬は、性別・年齢・強さによって斤量(きんりょう)と呼ばれる負荷がかけられ、これはジョッキーの体重+αで設定荷重を調整している。たとえば斤量が57kgに設定された場合、ジョッキーは57kgよりも軽い体重でなければ、その馬に騎乗することはできない。
こういった背景から、競馬のジョッキーには厳しい体重制限がかけられている。
しかし、馬術では美しい歩様や跳躍、滑らかな馬術演技などが求められるため、特に体重に制限をかけていないのだ。とはいえ、前述した通り馬に負担がかかりすぎると、これらのパフォーマンスが落ちるため、乗馬クラブなどでは90kgを一つの目安としているところが多い。
また、乗る馬についても違いがある。競馬で騎乗する馬のピークは2歳~6歳くらいで、2歳馬のころなどはまだ骨格が安定していないこともあり、重い負荷をかけてしまうと故障の原因になってしまう。
対して、乗馬で騎乗する馬は10歳を超える場合が多く、身体もしっかりしているため、騎手が多少重くても大丈夫なのだ。ちなみに競馬のジョッキーの平均体重は50kg程度で、馬術の騎手の平均体重は男性で66kg程度・女性で50kg程度となっている。
しかし体重制限がないからといって、誰でも馬に乗れるわけではない。馬に乗ること自体にそれなりの危険が伴うため、各乗馬クラブでは身長や年齢の制限を設けている場合が多い。
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【追加雑学】馬術における身長や年齢の制限
馬術において、体重よりも重視されるのは身長と年齢だ。こちらは長身の人や高齢者が制限されるというより、未就学児など子供へ配慮した制限となっている。
スポーツの世界では幼いころから鍛えている人も多いが、馬術の世界では、どんなに小さくても小学1年生ぐらいの年齢から始めるのが一般的だ。
馬は一見、平和主義でおとなしそうにも見えるが、およそ500kg前後の体重をもつ大型動物であるため、一歩間違えれば大事故に繋がりかねない。そのため、ある程度年齢の制限が設けられているのだ。
ちなみに大手乗馬クラブ「クレイン」では、「身長125cm以上・年齢6歳以上から」という目安を設けているが、小さい子供の場合はポニーに乗ることから始められる。乗馬のハードルは意外と高くないと考えていいだろう。
雑学まとめ
今回は馬術についての雑学を紹介してきた。
東京オリンピックでの出場を機に、今後ますます注目を集めていくであろう馬術の世界だが、体重制限はもちろんのこと、身長や年齢の制限も厳しいものはなく、意外とハードルが低いことがわかった。
また、乗馬はダイエットの効果も見込めるので、エクササイズの一環として取り入れている人も多いようだ。乗馬で体重を落とすことに期待してみてもいいかもしれない。
東京オリンピックで注目を浴びれば、乗馬クラブへの入会が殺到しそうなので、少しでも興味があれば、早めに門を叩くことをおすすめする。
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