「キリン」と聞いて、その姿を思い浮かべることができない人はいないだろう。子ども向けの動物の本や図鑑には必ずといっていいほど掲載されている。
それほどまでにキリンが注目される理由は、一目でわかる特徴があるからだろう。そう、彼らは「首が長すぎる」のである。
「首が長い」というわかりやすい特徴に加え、黄色と茶色のわかりやすい模様もある。ゾウと並んで子どもでも簡単に見分けがつく動物のツートップといってもいいだろう。
さて、問題はその「長い首」の長さである。人間の首の長さは大体10センチ程度だが、キリンの首はなんと2.5メートルもあるのだ!
それだけ長さが違っていて、「実はキリンの首の骨の数は人間と同じです」と言われてもにわかには信じがたい。そこで、今回はこの雑学について調べてみた。
【動物雑学】キリンの首の骨の数は、人間の首の骨の数と同じ
【雑学解説】キリンを含むほ乳類の首の骨の数はだいたい7個
インターネットはもちろん、図鑑なども調べた結果、やはりキリンの首の骨の数は人間と同じ7個だった。そしてキリンに限らず、犬も猫もゴリラもゾウも首の骨は7個だったのである。
というのも、「ほ乳類」という大きなくくりでみても「首の骨の数は7個」で、7個でないのはジュゴンやナマケモノなど数種類の動物しかいないようだ。
キリンの首の長さが約2.5メートル、骨の数が7個ということなので、骨1つあたり35センチくらいあることになる。骨、大きすぎ。
キリンの首の骨は7個ということがわかったわけだが、実は8番目の首の骨と呼ばれている部分がある。それが第一胸椎である。この骨は胴体についている骨であり、人間の身体にも存在している。人間の第一胸椎は胴体に固定されており、首を支えるための土台のような役割を果たしている。
しかし、キリンはその長い首を自在に動かすために、この第一胸椎に可動性がある。そのため、第一胸椎を「8番目の首の骨」ととらえる場合もあるのだ。
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【追加雑学①】キリンの首が長くなったのはエサの確保のため
キリンはアフリカのサバンナに住む動物である。そこでは多くの野生動物が生きている。しかしその一方で、サバンナの環境はなかなか過酷である。
サバンナには雨季と乾季があり、そこに生えるのはまばらな木々と草原。そこに多くの草食動物が暮らしている。となれば、当然食べ物を確保するための競争が生まれる。
そこでキリンの首である。キリンは長い首を活かして、他の動物では食べられないような高所にある木の葉を主食とすることで、ゆうゆうと生き延びてきたのだ。
【追加雑学②】キリンの首は最大の武器
キリンのオス同士の優劣は、多くの場合背の高さで決まる。背が高いキリンの方がメスにモテるようだ。
ただし、若い個体だとそれだけでは優劣が決まらず「ネッキング」という行為をおこなうことがある。その映像がこちら。
なかなか壮絶である。あんなに力強くぶつけても折れないとは、キリンの首はかなり丈夫にできているようだ。人間ならば即死のレベルではないだろうか。アフリカでキリンに接触する可能性のある人は、ぜひ気をつけていただきたい。
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【追加雑学③】キリンは血圧がめちゃくちゃ高い
血圧とは、血液が血管内を流れる時に、血管の壁にかかる圧力のこと。心臓が収縮しているときと拡張しているときの圧力の差を測定する。人間の場合は、収縮期血圧120~拡張期血圧80くらいが正常値といわれている。
キリンはどうかというと、なんと収縮期血圧260~拡張期血圧160くらいあるといわれている。人間ならかなり危険な数値である。
キリンがこんなに高血圧なのは、やはり首のせいである。長い首のてっぺんに脳があるため、そこに血液を運ぶために心臓ががんばっているというわけだ。
【追加雑学④】個人でキリンを飼育することができる
今回ご紹介する最後のトリビアは、日本ではキリンを個人で飼育できるということである。なんと、ペットとしてキリンを飼ってもいいというのだ。
想像してみてほしい。友達の家に遊びに行って、庭にキリン。そんなことが実際に起きたら、確実に頬をつねってしまう事案である。しかし、法律上できないことはないのだ。
キリンはワシントン条約の対象外なので、自由に売買することができる。だからといって、犬や猫を飼うようにはいかない。売ってくれる業者を探すことから始まり、輸入する際には検疫をクリアしなければならないし、飼育には都道府県知事の許可が必要である。
さらに、キリン飼育施設の設置や検査を経て、やっと飼育許可がおりる。しかしそれも5年の期限付き。キリンの寿命は25年程度なので、5年に一度更新する必要がある。
実際に個人でキリンを飼育するのは非現実的であろう。しかし、本気で飼おうと思えばキリンを飼うことができるというのは、まさに夢のような話である。
雑学まとめ
キリンの雑学について紹介してきたが、いかがだっただろうか。首が長い動物として誰もが知っているキリンだが、首が長いゆえに高血圧だったり、実は日本でも飼うことができたりと、驚くこともたくさんあった。
子ども向け絵本などで、犬は「わんわん」猫は「にゃあにゃあ」ゾウは「ぱおーん」…と鳴きマネをしながらめくっていくと、必ずキリンでつまることになる。
実はキリンはめったに鳴かないらしい。しかし、ごくまれに鳴いたときの声は「もー」であることがわかった。それを最後のトリビアとしてつけ加えておく。
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