命日・お盆・お彼岸・年末年始など、お墓参りに行く機会は1年のうちでも色んなタイミングがある。生まれてから今までの間に、1度もお墓参りに行ったことがないという人は、きっといないのではないだろうか?
それほど、日本人にとっては当たり前で、大切な習慣である「お墓参り」。その正しい作法やその意味を知っていると自信をもって言える人は、この日本にいったいどれだけいるだろうか? ちなみに私はどうなのかと聞かれると、お墓参りの作法についてはまったくもって自信がない!
いい機会だ、私と同じくお墓参りについてよく分かってない、自信がないという人はこれから一緒に以下の雑学を見ていってみよう!
【生活雑学】お墓に水をかけてあげるのはどうして?
【雑学解説】お墓に水をかけてあげる3つの理由とは?
まず、お墓に水をかけてあげる1番の理由。それは「ご先祖様が喉が渇いているだろうから」ということが挙げられる。
「ん?? どういうこと? 亡くなってるのに喉なんて渇くの?」と思った人もいるだろう。
これは仏教の「六道輪廻」や「輪廻転生」の考え方が関係している。「輪廻転生」とは、亡くなった魂がエンドレスに生まれ変わること。全ての人間は生前の行いによって「六道」という6つある世界のうち、どの世界に生まれ変わるかが決まってくるというのだ。
その「六道」というのが、「天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道」の6つの世界である。なかでも「餓鬼道」は食べ物も食べられず、飲み物も飲むことができないという過酷な世界。そこに生まれ変わった人たちは飢えと渇きでガリガリにやせ細り、骨と皮だけの状態で苦しむそうだ。
水をかける1つ目の理由は、「もしもご先祖様がそんな世界に行ってしまっていたら大変! めちゃめちゃ喉が渇いているに違いない!」ということから。
2つ目の理由は、「私たちお墓参りに来ましたよー!」ということをご先祖様や故人に知らせるためだ。水をかけてあげることで、ご先祖様に自分たちが会いに来たことを知らせている。
3つ目の理由は、お墓をきれいにするため、汚れを清めるためである。いつも外で風雨にさらされている墓石をきれいに洗い清めようということだ。
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お墓に水をかけたらダメ!?
一方で、逆に「お墓に水をかけてはいけない」という意見を聞いたことはないだろうか? もしかすると、「お墓に水をかけてあげようとしたら怒られた」なんていう人もいるのでは!?
なんでお墓に水をかけてはいけないといわれているのだろうか? そこには主に2つの理由がある。
1つ目は、お墓自体をご先祖様や故人だと見立てている場合だ。この場合、お墓に水をかけてしまうと、ご先祖様に水をかけてビチョビチョに濡らしてしまうことになる。たしかにそれは失礼極まりない!
2つ目は、墓石や骨壺が傷むという考えからである。真夏の太陽光を浴びてアツアツになった墓石に、突然冷たい水をかけるとその急激な温度差もあって墓石が傷むのでは!? というのである。
普段から屋外で風雨にさらされているんだから、そんなことで墓石は痛まないだろうという意見もある。だが、万が一お墓に水をかけることで墓石が割れたり、ひびが入るようなことがあれば、たしかに一大事だ。そう言われると、水をかけるのはやめとこうかなとも思ってしまう。
この水かけるかけない問題は、宗教的な決まりごとというよりは、人それぞれの価値観によるもののようだ。一番気持ちよくお参りできる方法を選んだらよいのかもしれない。
【追加雑学】お墓参りの基本的な方法
お墓に水をかけるシーンはないが、お墓参りの基本的な方法を分かりやすく教えてくれている動画を発見した。
ここまで丁寧に墓石の掃除、お供えもしている人はどれだけいるだろう!? とも思ってしまうが、ここまでしてもらえば、ご先祖様や故人もきっと嬉しく思ってくれるに違いない。
雑学まとめ
今回の雑学では、お墓参りの時にお墓に水をかけてあげる理由、また逆にお墓に水をかけない理由について説明した。どちらもいくつか理由は挙げたが、宗教や宗派などで絶対的な決まりがあるというよりも、そのお家や人の考え方によるところが大きいようだ。
ただ1つ言えることは、水をかける派もかけない派も、どちらの場合もそのお墓に入っているご先祖様のことを思って行動しているということだ。
大切なのはご先祖様や故人を思う気持ちであって、感謝や尊敬の心をもってお墓参りをするということが1番大切なのではないだろうか?
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