日本人なら誰しも見たことがあるだろう。焼き魚に大根おろしが添えられているのを…。
私はその大根おろしに醤油をかけて、それを焼き魚に乗せて食べるのが好きなのだが、よく考えると、なぜ添えられているのだろう? 美味しいから特に気にしたことはなかったが…。
昔の人が、「この組み合わせ抜群にうまいぜ!」といったことが噂になって、広がり定着していったのだろうか…?
【食べ物雑学】焼き魚に大根おろしが添えられる理由とは?
【雑学解説】焼き魚とおろし大根は食べ合わせがいい
「食べ合わせ」という言葉を聞いたことがないだろうか? 一緒に食べることによって栄養面でプラスに働く食べ方のことだ。
大根に含まれるビタミンCは、魚に豊富に含まれるミネラルの吸収を促進させる働きがある。また、大根に含まれるジアスターゼという酵素には、魚のたんぱく質の消化を助ける働きがある。
今では、焼き魚と大根おろしのように一緒に食べる事によって、プラスに働く「食べ合わせ」の解説本が多く出版されている。しかし昔は、食べることによってマイナスに働く「食べ合わせ」が日本には伝えられていた。
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【追加雑学①】食べ合わせの歴史!「合食禁」とは?
一緒に食べると良くないとされる「合食禁」は、中国の医学や本草学(中国・東アジアで発達した薬学)から日本に伝播した。
当時、合食禁に記された「食べ合わせ」は科学的に根拠のないものから医学的に正しいとされるものもあり、あやふやなものだった。もし天皇に出す食事が合食禁を犯していた場合、刑罰の対象になっていた。
時が流れて、栄養学・食品学が発展することにより食べ合わせはマイナスなだけでなく、プラスに作用することが明らかになっていった。
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【追加雑学②】症状別!おすすめの食べ合わせ
風邪や貧血などの症状に効き、つらい症状を和らげたりする効果があるおすすめの「食べ合わせ」を一部紹介しよう。
肩こり…ニラ×きくらげ
長時間同じ態勢でいたり、運動不足による血行不良が原因で肩がこることも多い。きくらげには血液を補い栄養分をあたえ、ニラには血行促進の効果がある。
風邪(のどの痛み)…梨×はちみつ
清熱作用・止咳作用などの炎症を鎮める作用をもつ梨は、病気への抵抗力を高めるはちみつが相性◎。
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二日酔い…グレープフルーツ×りんご
グレープフルーツとりんごは消化機能を整える効果があり、さらにグレープフルーツには口の渇きを癒す「解酒毒」の効果も発揮する。
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貧血…牛肉×ナツメ
牛肉とナツメは血を補い、消化吸収力をアップさせる働きがある。
腰痛(冷えからくる)…エビ×にんにく
エビとにんにくは体を温める効果があり、胃の働きを促進させる。
だるさ…長いも×オクラ
長いもとオクラはだるさを取り払うために必要な自己治癒力を引き出し、消化機能を整える効果がある。
【追加雑学③】気を付けて!危険な食べ合わせ
追加雑学①で解説した「合食禁」の中で、現代の栄養学でみても、一緒に食べてはいけない「食べ合わせ」がある。
紹介動画をご紹介しておこう。
納豆とたまごは実際に父がしていた組み合わせだったので驚いた。
すぐ父に連絡して、一緒に食べるなら納豆と卵黄だけにして! と伝えたが…、この組み合わせで食べている人は少なくなさそうだ…。これをきっかけに相性の悪い食品を調べてみるのもいいかもしれない。
食べ合わせの雑学まとめ
今回は食べ合わせに関する雑学を紹介してきた。
食の歴史は本当に奥が深い…。食べ物自体に様々な栄養があるが、さらに一緒に食べる事によってプラスにもマイナスにも働くのだ。自分が陥りやすい症状の食べ合わせを覚えておくと、いざ自分が具合悪くなったときに役に立つ。
筆者は二日酔い対策として、これから冷蔵庫にグレープフルーツとりんごが常備されることになりそうだ…。