車で人を轢き殺すなんて絶対にあってはいけない。毎年、交通死亡事故は全国で何件も起きているが、加害者であっても被害者であっても、自分が当事者になるのは絶対に嫌なものだ。
被害者の遺族からしたら、加害者のことを殺したいほど憎いと思って当然だ。しかし、法律上は車で人を轢き殺してもたいして罪は重くないらしく、なんと窃盗よりも罪は軽いらしい。本当だろうか…。気になったので、今回の雑学ではこれについて調べてみた。
【ルール雑学】過失運転致死傷罪よりも窃盗罪の方が重い
【雑学解説】過失運転致死傷罪は懲役7年、窃盗罪は10年
交通死亡事故で加害者になってしまった場合に課せられるのは過失運転致死傷罪で、処罰については「7年以下の懲役」「7年以下の禁錮」「100万円以下の罰金」のいずれかが科せられるのだ。
対して窃盗罪は「10年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」が科せられる。
しでかした罪の重さと、量刑の内容が釣り合っていないように感じるが、法律上はそうなっているので仕方がない。
なぜこんなことになっているのか。それは法律が故意(わざと)であるか、そうでないかに重きを置いているためだと考えられる。
過失運転致死傷罪は「過失」とついているので、誤って起こしてしまった行いだ。仕事で疲れていて注意散漫だったときに起こした事故だとしたら、情状酌量の余地が検討される場合がある。
対して窃盗は、故意の罪だ。他人のモノと分かっていながら、それが欲しくなり盗んでしまう。こちらは悪いことだと分かっていながらやる行為なので、罪が重くなるのだ!
さて、車を運転していて人を殺してしまったときに該当する可能性のある犯罪としては「過失運転致死傷罪」のほかに「危険運転致死傷罪」というのもある。
危険運転致死傷罪は、自動車の危険な運転によって、人を死傷させた場合に適用される。具体的には、飲酒運転や制限速度超過運転や、妨害目的の運転などで人を死亡させた場合だ。こんな運転をする奴は間違いなく悪党である。
ということで危険運転致死傷罪の刑罰は「最高30年の懲役」が科せられ、罪がかなり重くなるのだ。危険な運転をして事故を起こした者を、保護する必要はないということだ。
【追加雑学①】交通事故を起こした加害者がまずすべきこと
交通事故を起こしてしまったら、その瞬間はひどく取り乱してしまうと思うが、やらなくてはいけないことはたくさんある。以下の行為を迅速に行わなければ、その後の裁判で罪が重くなってしまう可能性がある。パニックに陥っている場合ではないのだ。
- 車を道路のはじに寄せて停車する
- 被害者の救護
- 散乱した窓ガラスの除去など、道路の通行を妨害している要因の排除
- 警察に通報
以上の4つは道路交通法で加害者の義務として定められているので、絶対におこなわなければならない。
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【追加雑学②】交通事故の損害賠償が減額されるケースもある
交通事故での治療などがひと段落したら、加害者から被害者に損害賠償金が支払われる。この損害賠償金は、治療費や病院への交通費・葬儀代金・慰謝料など交通事故によって生じた損害の全てに対して支払われるものだ。
しかし、交通事故の原因が被害者にもあった場合、損害賠償金は減額される。過失割合といって、その交通事故の責任が、被害者と加害者でどのようになっているのか定められるのだが、被害者の過失割合に応じて、損害賠償金は減らされるのだ。
たとえば、被害者の過失が30%・加害者の過失が70%・交通事故による損害が100万円というケースでは、被害者は100万円全てはもらえず、30%分は減額され、70万円しかもらえないのだ。
雑学まとめ
窃盗の方が、車で人を轢き殺したときより罪が重いという驚きの雑学をご紹介した。安全運転を心がけるのはもちろんのこと、絶対に窃盗をしないように、いま一度気を引き締めようと思う。
家に帰って押し入れの中を調べ、友達から借りたままになっていたゲームなどはないか、調べてみようとも思った。窃盗罪で起訴されて懲役10年になってしまうのは嫌だからである。