日本では超有名なジブリ映画である「天空の城ラピュタ」。何回見ても魅力が色褪せない名作だ。しかし、その英語版タイトルからは「ラピュタ」が外されているのをご存知だろうか?
実は「ラピュタ」という単語にはとんでもない意味が含まれていたのである。あえてこの単語を映画に使ったのだとしたら、どういう意図で使うに至ったのか、謎は深まるばかりだ。
ということで、今回は「ラピュタ」が英語版タイトルから外された理由を調べてみたので、雑学としてご紹介しよう!
【サブカル雑学】「ラピュタ」が英語版タイトルから外された理由
【雑学解説】「天空の城ラピュタ」の英語版タイトルは、実は2種類ある
「天空の城ラピュタ」の英語版タイトルは、実は「Laputa: The Flying Island」と「Castle in the Sky」の2種類がある。前者は1989年にイギリスで公開され、後者は2003年にディズニーがDVDを発売している。
「Laputa: The Flying Island」はストリームライン・ピクチャーズが配給元だが、もともと全日空の国際線で機内上映するために翻訳・吹き替えられたもので、翻訳を誰が行ったかすら分かっていない。
しかし、「ラピュタ」にはスペイン語で「売春婦」の意味があるので、スペイン系の人が多いアメリカでは不適切とされ、後にDVDを発売するディズニーは「Castle in the Sky」という名称に変更している。
ヨーロッパやオーストラリアでは「Laputa: The Flying Island」、アメリカ・イギリス・メキシコ・スペインなどでは「Castle in the Sky」が使われるなど、国によってどちらかのタイトルが使用されているのだ。
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【追加雑学①】ラピュタはスペイン語で「売春婦」
スペイン語には「la puta(売春婦)」という言葉があり、そのためスペイン語圏では「ラピュタ(Laputa)」の扱いは難しい。
スペインでは2003年に、作中に登場する「天空の城」の名称を「Laputa」ではなく「Lapuntu」と翻訳したが、2010年には「Laputa」と元の名称に戻している。
また、2012年にはアフレコ時に「Laputa」の「ラ」の部分を強く発音することで、売春婦を意味する「la puta(”ピュー”を強く発音)」と区別するなど、「ラピュタ(Laputa)」の扱いに悩まされている。
ちなみに、スペイン語版タイトルは「El castillo en el cielo」となっており、当然ラピュタはタイトルから外されている。
【追加雑学②】ガリバー旅行記の空飛ぶ島が「ラピュータ(売春婦)」と名付けられた理由
もともと「天空の城ラピュタ」はジョナサン・スウィフトのガリバー旅行記の第三篇に登場する「空飛ぶ島ラピュータ」が由来とされている。では、空飛ぶ島はなぜ売春婦を意味する「ラピュータ」と名付けられたのだろうか?
ガリバー旅行記の中で、ガリバーはラピュータという島の名前について、「高い統率者」や「太陽の翼」という意味をもつ、古い言葉が由来ではないかと考察している。しかし、作者スウィフトはスペイン語が堪能であり、あえてラピュータと名付けた可能性は非常に高い。
空飛ぶ島ラピュータでは市民全員が科学者であり、空飛ぶ島はその科学力で地上を支配していた。しかし常に頭の中が科学でいっぱいで、ときには話すことや道を歩くことすら困難になるため、正気に戻すための叩き役を連れていたほどである。
そんな空飛ぶ島では、女性は夫に相手にされないため地上の男と不倫に及ぶ、という記述が作中にある。売春婦のようになっていくラピュータの女性を指して、スウィフトは空飛ぶ島をラピュータ(売春婦)と名付けたという説が有力である。
雑学まとめ
ラピュタについての雑学を解説してきたが、いかがだっただろうか。まさかあのラピュタに売春婦の意味があったとは…空飛ぶ島にこんな名前を付けたスウィフトもすごいが、ジブリ映画で使う宮崎駿もすごい。
しかしヨーロッパなどでは「Laputa: The Flying Island」を使うなど、国によってラピュタの扱いは様々である。もしスペイン語圏の人に「ラピュタが好き」と言ったら、とんでもない意味になってしまうから注意が必要だぞ!
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