世界で1番長い川はどこなのだろう。アマゾン川? ナイル川? 名前くらいは聞いたことのある人も多いだろう。
学校で習った人もいるかもしれないが、だいたい忘れてしまっているのではないだろうか。
かく言う私も、川の名前なんて信濃川と利根川ぐらいしか覚えていなかった。
そこで今回の雑学では、世界の長い川ランキングを紹介していく。世界で1番長い川は、実はとんでもない長さだった。
しかしこの順位については、けっこういろんなところで物議を醸しているらしく……。
【自然雑学】 世界の長い川ランキング10選!世界一はどこだ?
【雑学解説】世界の長い川ランキング:それぞれの川をご紹介!
世界で長い川ランキングは以下のとおりである。
世界で長い川ランキング
- ナイル川(約6650km)
- アマゾン川(約6400km)
- 長江(約6300km)
- ミシシッピ川(約5971km)
- エニセイ川(約5540km)
- 黄河(約5464km)
- オビ川(約5410km)
- パラナ川(約4880km)
- コンゴ川(約4700km)
- アムール川(約4444km)
そう、1位や2位が圧勝ということはなく、世界の川トップ10はもれなくめちゃくちゃ長い。
日本最長の信濃川が367キロメートルだから、10位のアムール川でさえ約12倍の長さがある。1位のナイル川なら20倍だ。世界広すぎ…。
以下よりそれぞれの詳細を見ていこう!
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1位.:世界一長い川はナイル川(約6650km)
世界で1番長い川であるナイル川は6650キロメールもある。流域面積は287万Km²とかいう、もうなに言ってるかわからないレベルである。
ナイル川はアフリカ大陸北東部を流れているが、とんでもなく長いため、その川の水の恩恵を受けている国は多岐に渡る。なんと、エジプトやエチオピアといったアフリカを中心に、11もの国々の人々の生活を支えているのだ。
面白いのが、エジプト人はナイル川が氾濫した際、穀物を育てるのによく利用していたという。氾濫というと"被害"のイメージが強いが、逆に利用してしまうとはたくましい。
こちらは、ナイル川の様子を撮影した動画だ。
大自然すぎる…。ふつうにカバやゾウが登場する、この非日常感を味わってみたいものだ…。
しかし実は、1位はナイル川ではないという声もあるというが…?
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2位:世界一はアマゾン川だという声もあり!(約6400km)
世界で1番長い川はナイル川であると説明したが、実は世界一はナイル川ではなくアマゾン川だと主張する人がいるのだ。
私もそう思っていたが、どうやらアマゾン川は「測り方次第」では6992kmになるらしいのだ。
アマゾン川は、いくつもの支流に枝分かれしている複雑な川である。どこまでがアマゾン川なのかという定義次第で、長さが変わってしまうというのだ。ややこしい…。
そんなこと言い出したら、日本一短い和歌山のぶつぶつ川だって粉白の支流だし、どうとでも言えてしまうではないか。
ちなみに、学校のテストなんかでは、「世界で1番長い川は?」と聞かれたら「ナイル川」と答えないといけない場合が多いので気をつけよう。「いや、アマゾン川はどこまでをアマゾン川と定義するかで長さが…」などと言っても通用しないぞ!
こちらは、アマゾン川の不思議に迫った動画だ。
アマゾン川とネグロ川の合流地点は、なんと10キロ以上に渡って2つの川が混ざり合うことなく共存している。動画で見れるように、アマゾン川とネグロ川はそれぞれ色が違う…!
水質が違うと川が合流しても水が混ざらないとは…自然の神秘を感じさせられる。
ちなみにアマゾン川は流域面積では堂々の1位で、705万Km²にもなるぞ。通販サイトのAmazonのネーミングもこのことにちなんでいるという。
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3位:長江(約6300km)
世界で3番目に長いのは、中国の青海省・タンラ山脈を水源とする長江。チベット高原や四川盆地など、中国大陸を大きく横切って東シナ海まで続く。流域面積は約180万Km²だ。
紀元前14,000年にはその水資源を頼りに栄えた長江文明が生まれ、今も長江流域には4億5000万人もの人が暮らしている。太古から現代まで、中国の人々の暮らしを支えてきた大河なのだ。
近年は工業廃水の汚染や魚介類乱獲などが問題視され、2020年からは以降10年間の禁漁措置が施行された。これによって30万人近い漁師が失業してしまったというが、国は給付金などの対策を考えているとのこと。
以下、そのニュース動画だ。
漁船が解体されている様子には心が痛むが…なんとかこの歴史ある水資源を守っていってほしいものである。
4位:ミシシッピ川(約5971km)
ミシシッピ川は北アメリカ大陸を北から南へと真っ直ぐに流れ、メキシコ湾へと注ぐ大河だ。
この川もアマゾン川と同じく支流が複雑に枝分かれした川。本流の長さこそ3779kmだが、モンタナ州から流れるミズーリ川を起点とすると5971kmもの長さになる。
うーん、やっぱり測り方次第で川の長さランキングは大きく変わってきそうである。
驚かされるのが、このミシシッピ川は、支流と本流を合わせると約310万Km²もの流域面積を誇り、これはアメリカの40%ほどの面積になるという。え…アメリカの半分ぐらいは川ってこと?
また少し変わっている点は、水源のイスタカ湖が標高450mと比較的低い位置にあり、流域のほとんどが平原のために流れが超なだらかなこと。水源にある水が河口に届くまでは、90日を有するという。大きくて優雅な川なのだ。
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5位:エニセイ川(約5540km)
モンゴルから北に真っ直ぐ、ロシアを縦断してカラ海へ注ぐエニセイ川。
流域面積は約270万Km²で、ロシア最長の川だ。高原地域のモンゴルを水源としているため、上流付近は流れがとても激しい。洪水などを懸念して人も住みたがらないほどである。
ちなみに一年の半分以上のあいだ川が凍ってしまうため、エニセイ川クルーズは夏の2ヶ月間しか行われない。
以下の動画で砕氷船が水流を確保している様子が捉えられているが…どこからが川なんだこれ。
近年は永久凍土が溶けだした影響で、水量が増加傾向にあるという。めっちゃ寒そうだけど、昔よりは気温が上がっているんだな〜。
6位:黄河(約5464km)
青海省バヤンカラ山脈を源流に、中国北部を経て渤海に流れ込む、中国で2番目に長い川。
太古の時代には黄河文明が栄え、長江文明と覇権を争ってきた歴史をもつ。流域面積は意外に狭く、約75万Km²となっている。
黄河というネーミングは、上流付近で黄土高原を通過し、その土砂を大量に含んで流れていくことにちなんでいるぞ。黄土高原の土は粒子が細かく、水に流されやすいのだ。
年間の土砂量は16億トンにも上り、土砂の蓄積による川の氾濫で人々を幾度も悩ませてきた。こんな言い方は怒られるかもしれないが、つまりは泥川である。
動画はナレーションこそ中国語だが、映像からは土砂が大量に含まれた川だということは伝わってくる。本当に黄色…というか茶色!
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7位:オビ川(約5410km)
オビ川は、西シベリアのアルタイ山脈を源流とするビヤ川とカトゥニ川が合流してできる、ロシアで2番目に長い川。
南から北へと流れていき、河口は北極海へと続いている。流域面積は約243万km²だ。
南側は多数に支流が枝分かれしており、シベリア鉄道ができる前はこのオビ川の支流が交通の要となっていた。
今でも鉄道が通っていない地域への運送には、オビ川の水運が活躍しているというぞ!
8位:パラナ川(約4880km)
パラナ川は、アルゼンチン・ブラジル・パラグアイと3ヵ国に渡って流れる、南米ではアマゾン川の次に長い川だ。流域面積は約258万Km²。
支流のイグアス川には世界遺産のイグアスの滝があり、ボートツアーが人気だ。
以下がツアーの動画。滝が注ぐ真っ只中に突入している!
南米のカラっとした気候なら、ずぶ濡れになるのも気持ちよさそうだ!
9位:コンゴ川(約4700km)
コンゴ川は中部アフリカを流れる大河で、9ヵ国にも渡る流域を経て大西洋へと流れ込む。流域面積は約368万Km²。
上流から北上し、北西・南西へとグルーっと方向転換する、まるでブーメランのように流れる川である。
周辺の国でもコンゴ川と特に関わりが深いコンゴ共和国は、まだまだ発展途上にある国。そのため子どもたちまで川で漁をしていたりと、独自の文化を目の当たりにすることができるぞ!
以下の動画に現地の様子が収められている。
我々日本人はすっかりテクノロジーに囲まれてしまっているが、こういう自然ありきの暮らしも悪くない。
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10位:アムール川(約4444km)
アムール川は、モンゴル高原東部、ロシアと中国の国境から生じているため、ロシア語の「アムール川」と中国語の「黒竜江」というふたつの名前をもっているぞ。たとえばロシアの人に「黒竜江が見たい」と言ったら怒られるんだろうか…。
ロシア極東の都市・ハバロフスク近辺までは中国との国境をなぞって流れ、そこからオホーツク海へと向けて北上する。流域面積は約185万Km²だ。
ちなみにオホーツク海の流氷は、アムール川の水が流れ込むことで塩分が薄まり、海水が凍りやすくなることで作られるという。
以下に流氷の動画を載せておこう。ロシアと中国の国境を流れるアムール川の水流が北海道にも届く流氷になるというのは、改めて不思議な話である。
【追加雑学】「海」と「川」と「湖」の違いって何?
さて、ここまで「世界の長い川ランキング」をお届けしてきたが、「川」を具体的に説明できるだろうか?
川とは、溜まっている水が、くぼみを伝って海などに流れている場所のことをいう。
ちなみに湖とは、ある程度の深さの水が溜まっていて、かつ、水の出入りが行われている場所がないものだ。
では、海とは一体何か。川の水が流れつく場所?
それが実は、海と川には明確な違いはないらしい…。特に明確に境界が作られているわけではないのだ。
あれ。ちょっと待て。
だとしたら、1番長い川はナイル川でもアマゾン川でもないかもしれないのか。現在海といわれているものが川と呼ばれるようになったら、世界で一番の長さになるかもしれないじゃないか…。
「世界の長い川ランキング」の雑学まとめ
今回は、世界の長い川に関する雑学をご紹介した。
いまのところ…世界で1番長い川は正式にはナイル川だ。だが、川の定義や測り方次第では、他の川が1位になることもある。
つまり川の長さの基準はとっても曖昧なのだ。
それにしてもナイル川やアマゾン川のような壮大な川を、一度は生で見てみたいものだ。
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