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200年前にできた"桃太郎"の3つの続編が濃すぎる…!

「桃太郎」にはいくつか続編があるという雑学

桃から生まれた男の子が、犬・猿・雉をお供にして、人々を苦しめる鬼を退治しに行くという有名な昔話「桃太郎」。実は、その「桃太郎」には続編があるのだ!

しかも、その続編は1つだけでなく、3つのパターンに分かれている。いったいこれはどういうことなのだろうか? 続編のあらすじとともに、「桃太郎」の知られざる雑学を紹介していこう。

【歴史雑学】「桃太郎」にはいくつか続編がある

「桃太郎」には、「桃太郎後日噺(ごじつばなし)」「桃太郎再駈(にどのかけ)」「桃太郎元服姿(げんぷくすがた)」という3つの続編が作られている。

【雑学解説】全部で3つのパターンがある「桃太郎」の続き

全部で3つのパターンがある「桃太郎」の続きについてのトリビア

「桃太郎」の続編といっても、作者が作った「公式続編」というわけではない。今の時代でいうと、二次創作の同人誌といったところだろうか。つまり、「桃太郎」の作者でない人物が「もしも桃太郎に続きがあったら」と考えて作ったものというわけだ。

作られた「桃太郎」の続編は、できた順に並べると以下の3つとなる。

  • 桃太郎後日噺(ごじつばなし)
  • 桃太郎再駈(にどのかけ)
  • 桃太郎元服姿(げんぷくすがた)

それぞれの作者やあらすじを、1つずつ解説していこう。

【追加雑学①】昼ドラ的続編「桃太郎後日噺」

昼ドラ的続編「桃太郎後日噺」についてのトリビア

「桃太郎後日噺(ごじつばなし)」は、1777年に朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)という作家によって作られた続編だ。ちなみに、朋誠堂は「かちかち山」の続編となる作品も作っている。

「桃太郎後日噺」のストーリーは以下の通りだ。

鬼に勝利した桃太郎は、宝箱と一緒に心優しい白鬼を連れて村へ帰ってきた。そして時は流れて、桃太郎は16歳になり元服(成人の儀式)する。白鬼も角を切り落として元服し、「鬼七」と名乗ることになった。

その際、鬼七の元服姿がとても似合っていたので、お供だった猿も真似をして元服し、「猿六」と名乗るようになった。猿六は召使いのおふくに恋をしており、アタックするもいつもフラれてしまう…。実はおふく、鬼七と両想いだったのだ。2人のラブラブな現場を猿六が目撃し、桃太郎に告げ口をする。

すると桃太郎は、「自分の恋が叶わないからって告げ口をする猿六も同罪だ」と、おふくと鬼七に10両ずつ、猿六には200文のお金を出して追い出してしまった。

追い出されたおふくと鬼七は、桃太郎からもらったお金でお店を出して暮らしていた。しかし、ある日突然「鬼七の婚約者だ」と名乗る鬼の女の子が現れる。激怒したおふくは角を生やして大蛇の姿に変身!

鬼の女の子と蛇になったおふくに追いかけられた鬼七はお寺へ逃げ込む。怒り心頭で、「殺してやる!」と興奮するおふくを鬼の女の子は止めようとするが、失敗に終わってしまう。さらに、鬼の女の子は自害してしまった…。

そこへ桃太郎が登場し、おふくを切り殺すのだった。ちなみに、鬼の女の子を鬼七のもとへやったのは猿六の仕業だったため、猿六は桃太郎に踏み殺されたとさ。

著者の感想

猿の嫉妬から始まったドロドロの展開…そして最後は誰も幸せにならないバッドエンド。かつてお供として一緒に冒険した猿が元凶となり、制裁を下さなければならない桃太郎が気の毒に思える。

人間であるおふくが激怒して、大蛇に変身するのは驚きだ。怒りが頂点に達すると、たとえ人間でも化け物になってしまうということを表現しているのだろうか。

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【追加雑学②】大人になっても冒険へ?「桃太郎再駈」

大人になっても冒険へ?「桃太郎再駈」についてのトリビア

「桃太郎再駈(にどのかけ)」は、1779年に市場通笑(いちばつうしょう)という作家によって作られた話だ。そのストーリーは、以下のとおりである。

鬼に勝利した桃太郎は、鬼の宝である隠れ蓑(みの)・隠れ笠・打ち出の小づちを持って帰ってきた。小づちでたくさんの金銀を出し、お金持ちになった。

しかしお金持ちになったことで、お爺さんは隠れ蓑と隠れ笠を見世物にして、金儲けをし始めた。お婆さんも毎日のようにお芝居や遊びに出かけるようになってしまう。

2人の変わりようを気の毒に思った桃太郎は、2人の留守中に、とんだや霊蔵という人物に宝物の偽物を作ってもらった。桃太郎はお爺さんとお婆さんに「隠れ笠の妖精が現れた」という作り話をし、その話を信じた2人は使い物にならなくなった偽物の宝物をみて嘆いてしまう。

偽物の宝物を作った霊蔵は、桃太郎に鬼が島へ行くことを勧める。ちなみに、鬼が島に行くといっても、実際は吉原という遊び場に行くことになっていた。そんなことを知らないお爺さんとお婆さんは、金の入ったきび団子を作って見送るのだった。

桃太郎と霊蔵が吉原に向かう途中、犬二郎・喜二郎(きじろう)・左次兵衛(さじべえ=猿)と出会う。そして、桃太郎は吉原の遊女を気に入り、お金を払って花嫁道具や宝物と一緒に村へ帰ってきた。遊女をお嫁さんにした桃太郎には、2代目桃太郎となる子供が生まれ、幸せに暮らしたとさ。

著者の感想

「鬼退治に行く」と言いつつ、その行き先は吉原。ヒーローの桃太郎も、やはり1人の男性といったところか。

こちらは桃太郎が結婚して、2代目桃太郎が生まれるというハッピーエンド。今後幸せな家庭を築きながら平穏に暮らしていくのか、それともまたなにか妖怪の事件が起こって、成長した2代目が退治しに行くのか…続きを考えたくなる続編だ。

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【追加雑学③】鬼の娘と桃太郎の悲恋「桃太郎元服姿」

鬼の娘と桃太郎の悲恋「桃太郎元服姿」についてのトリビア

「桃太郎元服姿(げんぷくすがた)」は、1784年に「桃太郎後日噺」を作った朋誠堂喜三二によって描かれた話である。そのストーリーは、以下の通りだ。

桃太郎に敗北し、宝を取られてしまった鬼たち。黙っているわけもなく、宝を取り返すために「桃太郎暗殺計画」を立てた。その作戦は、鬼が島で1番の美人の鬼娘・おきよを桃太郎のところへ送り、桃太郎を暗殺して宝を取り返す…といったものだった。

さて、人間に化けて作戦通り桃太郎のもとで働くことになったおきよ。桃太郎を暗殺する日を狙っていたのだが、桃太郎とともに暮らすうちに恋をしてしまった。仲間である鬼たちと、桃太郎への恋心の板挟みに耐え切れなくなったおきよは、自ら命を絶ってしまう。

こうして、鬼たちの作戦は失敗に終わり、事実を知った桃太郎は、鬼退治をしなくなってしまったとさ。

著者の感想

個人的には、3種類ある桃太郎の続編のなかで1番好きな作品だ。鬼の娘・おきよの悲しい片想い…。敵である人物に恋愛感情を抱くのは、ベタな展開かもしれないが、「この後どうするんだろう…」とか「おきよに幸せになってほしい」とか考えてしまう。

しかし、おきよは自殺してしまい、桃太郎も鬼退治を引退してしまう。なかなかのビターエンドだ。この展開に、当時の人も「おきよがかわいそうだ…」と涙したのかもしれない。

雑学まとめ

200年前にできた"桃太郎"の3つの続編が濃すぎるという雑学まとめ

いくつか続編が作られた昔話「桃太郎」。当時の人たちにも親しまれ、「もしも続きがあったら…」といった想像を掻き立てやすい昔話だったということがよく分かる。「桃太郎」自体は子ども向けの作品だが、続編として作られた話がどれも大人向けなのも面白い。

今回の雑学記事で紹介した3つの「桃太郎」の続編。この中に、あなたのお気に入りの続編はあっただろうか?

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