「ウサギとカメ」といえば、ウサギとカメのどちらが早いか競争する童話である。のろまなカメ相手なら余裕で勝てると思ったウサギが、途中で昼寝をしてしまったため、カメに負けてしまうというオチだ。
さて、カメに負けてしまったこのウサギ、その後どうなったか知っている人はいるだろうか? 実は、「ウサギとカメ」のウサギのその後を描いた続編があるのだ!
今回は、そんな「ウサギとカメ」にまつわる雑学を紹介していこう。
【面白い雑学】「ウサギとカメ」には続編「負けウサギ」がある
【雑学解説】「ウサギとカメ」の続編「負けウサギ」のあらすじとは?
「ウサギとカメ」の続編とされる「負けウサギ」というのは、1971年に斎藤隆介(さいとうりゅうすけ)という児童文学作家によって作られた話だ。斎藤隆介といえば、他にも「モチモチの木」を作った人でもあるので、知っている人もいるかもしれない。「負けウサギ」のストーリーは以下のとおりだ。
カメに負けてしまうという汚名を着てしまった負けウサギ。もちろん仲間のウサギから仲間外れにされ、故郷を追い出されてしまう。
しかし、負けウサギはひょんなことから、オオカミが自分の故郷の子ウサギたちを狙っていることを知る。オオカミから子ウサギを守れば、また仲間に戻れると思った負けウサギは、仲間たちのところへ行き「オオカミをやっつける」と宣言をするのだった。
そして、負けウサギは1匹でオオカミのところへ向かうと、こう言った。
「子ウサギを連れてきたいのだけど、オオカミさんの顔を見ると子ウサギたちが怖がるので、連れてこられない。いいと言うまで、後ろを向いていてもらえないか?」
オオカミは素直に負けウサギの提案にのり、負けウサギに背中を向ける形で崖の上に立った。そのチャンスにすかさず負けウサギはオオカミに攻撃! オオカミは崖から落ちて死んでしまった。
知恵を使って命がけで子ウサギたちを守った負けウサギは、見事故郷に戻ることができ、ヒーローとして称えられるようになったとさ。
著者の感想
「敗者には厳しい結末が付き物だが、名誉挽回のチャンスは来るものだ」というメッセージを感じる。どん底に落ちても、知恵と勇気があれば、また幸せになれるといったところか。
「ウサギとカメ」では、カメに油断して敗北してしまったが、「負けウサギ」にて自分よりも格段に強い相手に立ち向かって勝利するという展開は胸が熱くなる!
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【追加雑学】カメ視点の『ウサギとカメ』の後日談といわれるストーリーがある
ウサギの後日談は、オオカミを倒してヒーローになるという名誉挽回のストーリーだった。
それでは、カメの場合はどうだろうか? 実は、「これは『ウサギとカメ』の、カメ側の続編ではないか?」といわれているストーリーがある。その話は、以下のとおりである。
ウサギに勝ったカメは、「自分はやればできる」と過信してしまい、いろんなことに挑戦するようになっていた。
そんなある日、カメはワシに「自分を空高いところまで連れて行ってくれ」とお願いする。というのも、「自分も頑張れば空を飛べるかもしれない」と思ったようで、ワシに空高くまで連れて行ってもらい、そこから飛んでいこうとしていたのだ。
ワシはカメをつかんで空高く飛び上がり落とす。「さぁこれで自分も空を飛べる!」と思ったカメだったが、もちろん飛べるはずがない。そのまま地面に激突し、砕け散ってしまった。その後、そのカメを見たものは誰もいない…。
英雄となったウサギに対して、カメの末路は衝撃的なものだ…。これは、「ウサギとカメ」と同じ「イソップ物語」にある「カメとワシ」の話が変化したものではないかといわれている。そのため、明確に「ウサギとカメ」の続編というわけではない。
しかし、同じ「イソップ物語」出身の話であることから、「もしかしたら『カメとワシ』はカメ側の『ウサギとカメ』の続編では…」という説が上がっている。
著者の感想
「過信は禁物」ということや「自分の力を見誤るな」といったメッセージを感じた。もしもこれが「ウサギとカメ」の続編と考えると、「敗者になったものの名誉挽回できたウサギ」というハッピーエンドに対して、こちらはなんともいえない話である…。
なにかの勝者になったとしても、「自分は万能な存在なんだ!」と過信すると、痛い目を見る…ということを、カメは教えてくれたのかもしれない。
「ウサギとカメの続編」の雑学まとめ
「ウサギとカメ」の続編についての雑学、いかがだっただろうか。「ウサギとカメ」で負けてしまったウサギには、後日談が作られていた。1度仲間外れになったものの、オオカミをやっつけて名誉挽回してハッピーエンドの話だ。
「ウサギとカメ」で負けてバッドエンドとなったウサギに、幸せな結末が加えられたのは、読者側として嬉しい展開である。このストーリーは、「負けウサギ」という名前で絵本も出ているので、よかったら1度読んでみてはいかがだろうか?
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