誰でも知っていることだが、「たらこ」の親はもちろん「タラ」。では、「数の子の親は?」と聞かれてすぐ思いつくだろうか?
数の子の親は「ニシン」という魚。タラとたらこの関係にのっとるなら、数の子ではなく「にしんこ」になるはずでは…? 実はニシンの子が「数の子」と呼ばれるにはしっかり理由があったのだ。
お正月といえばおせち料理。そんなおせち料理の定番ともいえる数の子。名前の由来なんかを考えながらおせち料理を頂けば、さらにおいしさもめでたさもアップしそうだ。
今回の記事では、そんな数の子にまつわる雑学をご紹介する!
【食べ物雑学】ニシンの子が「数の子」な理由とは?
【雑学解説】数の子の親が「ニシン」なのは呼ばれ方が理由
現在はニシンという名が一般的だが、秋田県などの東北地方ではもともと「カド」と呼ばれていたのだ。
これは、産卵のために大量にやってくるニシンを門口(かどぐち)で獲っていたという説や、口の先が角ばっているからという説などがある。
そのため数の子も、もともと「かどのこ」と呼ばれていたのだが、これが段々と訛って「かずのこ」に変化したという。
また、ニシンは卵をたくさん産むことから、「数の子」という漢字が当てられたともいわれている。
【追加雑学①】「カド」が「ニシン」になったのはなぜ?
「カド」という呼び名では聞こえが悪く、なかなか売れなかったといわれている。
そこで、カドの加工の仕方である、内臓を取って身を2つに割く様子から「ニシン(二身)」と名付けられたそうだ。
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【追加雑学②】数の子がおせちの定番である理由とは?
「二身」の説は先ほどご紹介したが、実はもうひとつ、「二親」という由来も存在する。
ニシンは卵をたくさん産む魚なので子孫繁栄という意味合いがあるが、さらに「2人の親(二親)からたくさん子供が生まれ、代々栄えていけるように」との願いも込められているという。
子供が少ないだの出生率が低いだのいわれているこのご時世、みんなで数の子を食べて願ってみよう。
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【追加雑学③】数の子は加工の仕方と産地で食感が変わる
数の子には、塩数の子と味付け数の子というふたつの加工の仕方がある。また産地によっても質が違う。
塩数の子はコリコリとした食感が特徴だが、これは、冷凍してもその食感が変化しないように塩漬けにされている。また、カナダやアメリカの西海岸(太平洋)で獲れる数の子は粒が硬めで粘着性も高いので、コリコリした食感になるのだ。
一方味付け数の子は、調味液に漬け込んで冷凍するので柔らかい食感。産地であるカナダ・アメリカの東海岸(大西洋)で獲れる数の子は、元々粘着性の弱い柔らかめの卵なのだ。
数の子本来の食感を楽しむには少々物足りないが、調理の手間や価格を考えるなら手軽に食べられる味付け数の子がおすすめだ。
ここで、数の子の塩抜き方法をご紹介しよう。
テンション高いな…。
この塩抜きが面倒な人は、食感は物足りないが塩抜きの必要がない味付け数の子で。自分の好みの味付けにしたい人は、塩抜きにぜひ挑戦してみてほしい。
数の子の雑学まとめ
今回は、数の子の雑学をご紹介した。数の子がもともとは「カド」という魚の卵だったとは…。
お正月以外に「今日は数の子食べよう~!」と思うことはなかなか少ないかもしれないが、産地や加工について知っていると、さらにおいしく味わい深くなるのではないだろうか。
数の子は別名「黄色のダイヤ」ともいわれている。おいしくダイヤをいただこう。