テレビで裁判のニュースはご覧になるだろうか?
普段はあまり気にしていなくても注目された裁判の結果など、速報で伝えられると目に入ることもある。そのときに、「無罪」とか「勝訴」とかの紙をもって走ってくるシーンを見たことがあるだろう。
あの紙、あれはいったいなんなのか気になったことはないだろうか? 今回の雑学ではあの紙について解説していくぞ!
【面白い雑学】裁判で判決が出たときに掲げる「無罪」の紙の正体は?
【雑学解説】「無罪」の紙の正体「判決等即報用手持幡」とは?
実はあの紙、決まったとたんに誰かが書いて急いで持ってきているものではない。私はそう思っていた。気になって調べてみるまでそう思っていた。書く人が達筆じゃなかったら大変だな、とか急いで書いて間違ってたら恥ずかしいよな、とか思っていた。
そんなこと外で話さなくてよかったと今、心から思う。
あれはどうやら紙というより「幡」らしい。なるほど、勢いよく走ってきてもどうりで破れたりしない。書いているのだと思い込んでいたため半紙だと勝手に思っていた。
あの幡には、「判決等即報用手持幡」というしっかりとした名前までついているというではないか。読み方は「はんけつとうそくほうようてもちばた」というそうだ。なかなかお堅い名前だ。
さらに驚くことに、「勝訴」や「無罪」などと裁判の判決に使われるであろうバリエーションがいろいろと準備されているという。
日本弁護士連盟という、これまた立派なところが保持しているもので、裁判には何種類かの「判決等即報用手持幡」をレンタルして判決に備えるそうだ。
【追加雑学①】判決等即報用手持幡の愛称は「びろーん」!?
さて、そんな「判決等即報用手持幡」なんていう立派な名前をもったあの紙であるが、やはり急を要する裁判の判決結果を伝えるために愛称が存在する。
一瞬言葉を失う。
なんというか、そう、なんというか、間抜けな愛称だ…。
しかもそれを弁護士の偉い方々が呼んでいるということだ。さらに弁護士の皆様は「判決等即報用手持幡」という正式名称を知らない方も多いという。
なぜもっと立派な愛称にしなかったのか、もしくは正式名称をもう少し短くしようとは思わなかったのか。
なぜなんだ、びろーん。
緊迫しているであろう裁判の裏側で「判決でた?」「勝訴!勝訴!」「了解! びろーん持ってきて!」「違う!これ敗訴のびろーんだろ! 勝訴のびろーん持ってこい!」「びろーん早く!!」とかやってるということである。
いや、ほぼ推測だが、びろーんがあちこちで聞こえることは間違いない。
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【追加雑学②】「判決等即報用手持幡」を持って走ってくるのは弁護士である
そもそもびろーんの愛称を使っているのが弁護士というのがなぜなのか、私はわからなかった。なぜならあの紙「判決等即報用手持幡」を持って走ってくるのはマスコミとか新聞記者とか、そういった職業の人だと思っていたからだ。
必死に速報を伝える記者たち。たくさんの記者の中で選ばれしものだけが担うことができる役なんだと思っていた。それはそれで裏側ではどろどろの争いが…とか思っていた私がやはり恥ずかしい。
実際、あのびろーんを持って走ってくるのは、弁護士だということだ。
「弁護士がびろーんを持って走ってくる」
なんとも違和感のあるフレーズである。弁護士はもっとこう、シュッとしていて、きりっとしていて、びろーんなんかじゃない。自分の固定観念を呪う。
とはいえ、弁護士とはいっても新人や若手の弁護士が行っているそうだ。良かった。
さっきまで法廷で戦っていた弁護士本人が、依頼人をほっぽりだしてびろーんを掲げにくるとでも言われたら私の脳はついていけない。米倉涼子や竹内結子はびろーんを持って走ってきたりしないのだ。良かった。
本当に良かった。
【追加雑学③】「判決等即報用手持幡」は裁判所の構内では出してはいけない
さらにこのびろーんには、細かいルールも決まっている。
たとえば、裁判所の構内では出してはいけないというもの。たしかによく考えれば、走ってきて「ばっ!」と広げている。もったいぶっているのだと思っていた。
せっかくそんな細かいルールも決めたんだ。なぜ「判決等即報用手持幡」のかっこいい愛称も一緒に決めておかなかったのか。
非常に悔やまれるところでもある。
「無罪の紙」の雑学まとめ
いかがだっただろうか。今回は判決後に使われる、あの紙「判決等即報用手持幡」についての雑学をご紹介した。
独身男性のみなさんは、ぜひ女性の前でこの雑学を披露してみてもらいたい。「そんなこと知っているなんてすごーい!」となること間違いなしである。ただし間違えてもびろーんの情報だけではなく正式名称も伝えてあげてほしい。
私としては、これからニュースでそのようなシーンが出たら「あ、びろーんだ。」と確実に言ってしまうであろう。