「お盆に海に行ってはいけない。幽霊に連れていかれるぞ!」
そんなことを言われたことはないだろうか? 幽霊を信じない人にとっては、「そんなの迷信だよ」と笑ってしまうことかもしれないが、実はお盆に海に行くのを避けたほうが良いのは本当のことである。
しかし、「幽霊に連れていかれる」というスピリチュアルやオカルト的な理由ではなく、ちゃんとした理由があってのことだ。
さて、どうしてお盆に海に入ってはいけないのだろうか? その雑学について解説していこう。
【生活雑学】「お盆に海に入ると幽霊に連れていかれる」迷信はどうしてできた?
【雑学解説】事故が起きやすいから避けたほうが良い「お盆の海」
今となっては、お盆を過ぎてもまだまだ夏の一部というイメージが強いかもしれないが、昔は「お盆を過ぎれば秋はすぐそこ」と考えられていた。
つまり、お盆は季節の変わり目なのだ。そうなると、海の調子も夏とは変わってくる。お盆になるまでにはなかった事故も起きやすい。
「事故が起きやすい」ということと、「お盆には亡くなった人が帰ってくる」ということが合わさり、「お盆には幽霊が帰ってくる。海に入ったら引きずり込まれるよ」といった迷信が生まれたわけだ。
ちなみに、なぜ「海」なのかというと、昔は「山や海はあの世につながる入り口」という考えがあったことに由来している。そのため、余計に「お盆の海には幽霊がいる」という発想につながったのだろう。
単なるオカルトな迷信だと思いやすいが、ちゃんとした理由があるものだ。この迷信を理解するためには、どのような事故が起きるのかを知っておく必要がある。
それでは、具体的にどのような事故が起きやすくなっているのだろうか? それぞれ解説していこう。
【追加雑学①】お盆の時期はクラゲが発生しやすいから
海水浴で怖いものの1つといえば、クラゲ。どの季節にもクラゲはいるのだが、お盆の時期には危ないクラゲが出てくる。
中でも危険なのが、アンドンクラゲだ。アンドンクラゲのもつ触手に触れてしまうと、皮膚にミミズ腫れが起きてしまい、激しく痛むことも。場合によっては心臓麻痺を起こしてしまうこともあり、とても危険なクラゲとして注意されている。
そのようなクラゲには、絶対に近づきたくないものだ。信心深い人は、毒性をもつクラゲを、幽霊のようなものだと思っていたのかもしれない。
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【追加雑学②】台風の影響で流れや波に変動が現れやすいから
お盆を過ぎたあたりから、台風がやってくる。台風が遠いところにあるからといって、安心はできない。というのも、台風の影響で、海の流れや波が変動するのだ。
台風の影響で生まれる特殊な波を、土用波(どようなみ)という。遠くで発生している台風によってうねりが発生する。それが海水浴場に近づくにつれ、大きな波となるのだ。
そうなってしまうと、とても泳ぐ状況にはなれない。へたをすると波にさらわれるという事故につながる。
このほかにも、離岸流(りがんりゅう)という水の流れによって、膝ぐらいの高さでも引っ張られてしまうことがある。
このような特殊な水の流れから、「海にさらわれる…!」といった具合に幽霊のしわざとして、迷信となったのだろう。
【追加雑学③】海水温度が下がることで足がつりやすくなるから
最初の方でも少し話したが、お盆は夏から秋への変わり目だ。となると、海水温度も下がる。
思ったよりも冷たい海水に体が驚き、足がつってしまうといったことがお盆の海では起きやすい。場合によっては海水の温度が原因で、心臓麻痺を起こしてしまうこともある。
「お盆はまだ夏の真っ最中」というイメージをもちがちだが、自然の中ではもう秋の動きになっている。こういった自然の変動は、知っておきたいものだ。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。
「お盆の海は幽霊が出るから行ってはいけない」
オカルト的な迷信だが、しっかりとした理由があるのだ。
たしかに、昔の人の考えで、偶然「亡くなった人が帰ってくるお盆」と「海の事故が起きやすい季節」が被ったから、このような迷信ができたのかもしれない。
しかし、「大事な人を守るため」の注意喚起として、このような迷信が生まれたことには変わりないだろう。
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