食事どきに・おやつどきに、どんな食べ物とも相性がいい「日本茶」。熱々のお茶があればほっこり和み、話にも花が咲く。筆者は個人的に熱々派だが(猫舌のくせに)、お茶を淹れる温度は様々なようだ。
たまにお客として招かれたとき出てくる玉露はじんわり温かく、驚くほど甘味がある。お茶の種類によって温度が違うのは、繊細な香りと味を引き出すための工夫だ。
たしかに「玉露は熱湯で淹れちゃダメ」とはいうけれど、どうしてなのだろうか? 玉露に限らずたくさんのお茶があるが、適温とはいったいどれくらいなのだろう。
今回はそんなお茶に関する雑学を紹介していこう。
【食べ物雑学】お茶の種類によって適温が異なるのは理由がある
【雑学解説】ただのお茶だとあなどることなかれ!
お茶の健康成分として有名なカテキンは、渋みの元として有名なタンニン同様に渋みを感じる。アミノ酸は旨みのもとだ。お茶の中にはこれらの主成分が入っているが、種類によって割合が違う。飲んだときに、一番おいしく感じる成分がたくさん溶けだした方が都合がいい。
タンニンは70度以上から溶けだし始め、カテキンも80度以上で溶け出していく。逆に旨み・甘みを強く感じるアミノ酸は50度以上の低温で溶け出す。
この仕組みを理解して、それぞれの茶葉にあった温度で抽出したお茶は本当においしいものだ。素人でもその味の違いが分かるほど差が出てくる。
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ちなみに、煎茶は育てるときにたっぷり日光をあびた茶葉。玉露は3週間ほどは日に当たらないよう覆いをして育てられる。この育て方の差で含む成分が変化する。番茶は成長して硬くなった残り葉で作られるが、素朴で飲みやすい味だ。
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【追加雑学①】具体的にどのお茶はどのくらいの温度で淹れるべき?
煎茶はタンニンが多く含まれている。熱湯だと一気にタンニンが出てかなり渋く感じるので、70~80度程度で淹れるのがいい。番茶はタンニンもアミノ酸もあまり含んでいないから、熱々の熱湯で飲んだ方がおいしい。
玉露はアミノ酸がとても多く含まれている。タンニンが溶けださないようにするとさらに甘みが際立つので、50~60度で淹れるのが適温なのである。
渋くないお茶を飲みたければ低めの温度がいいのだが、健康成分であるカテキンを摂取するには多少渋くても熱めのお湯がいいだろう。
日本茶以外では、紅茶も中国茶も熱湯がいいとされている。渋みも香りも引き出すため、高温で抽出時間を守ることがポイントだ。
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【追加雑学②】意外? ミネラルウォーターは使っちゃダメ
お湯の温度が完璧になったところで、使う水にも気を付けたい。水道水をそのまま使うのはちょっと抵抗があるな…という人が多いと思うが、実はお茶はミネラルウォーターとの相性が悪いのだ。
市販のミネラルウォーターはほとんどが「硬水」といい、高度の高い水である。実はカテキンやカフェインがミネラル成分と反応すると味が淡白になり、お茶の色も濁ってしまうのだそうだ。香りも減少するらしい。
日本の水道水はもともと日本茶を淹れるのに最適な「微酸性の軟水」。塩素臭さが気になる場合も、沸騰させるとカルキが抜けてそれほど気にならなくなるだろう。日本茶は日本の水で淹れるのがいちばんおいしいのである。
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雑学まとめ
今回はお茶のおいしい淹れ方についての雑学を紹介してきた。淹れるお茶によってお湯の温度を変えられるなんて、ちょっとカッコイイ。なにより丁寧に淹れたお茶は格別の味わいだ。一度これを味わうと、病みつきになってしまうだろう。
ちなみに我が家は経済的な番茶一択。グラグラの熱湯で淹れてフーフー冷ましながら飲んでいるが、たまには繊細な玉露も飲みたくなってきた。50度なら熱湯と冷水を半々にするだけで作れるので、みなさんも玉露を淹れるときはこの方法で淹れてみよう。
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