今回の雑学テーマは、トマトについて。お弁当の彩りからサラダまで、トマトは家庭料理に欠かせない野菜である。そう、「野菜」であるはずだ。トマトが野菜かどうかについて悩む人は、日本にはあまりいないだろう。
ところが国や年代によっては、トマトが果物扱いされたことがある。それどころか、今でもトマトは基本的に「果物」だと認識されている国もある。
どちらでもいいような気がするが、大の大人がトマトは野菜か果物かでモメたあげく、裁判沙汰になったことがあるというから驚きだ。トマト…! 恐ろしい子…!
【面白い雑学】トマトは「野菜か果物か」で裁判になったことがある
【雑学解説】「トマト裁判」の原因と結果は?
アメリカといえばトマトケチャップにハンバーガー。トマトはどう考えても野菜扱いなのだが、どうして果物なんて論争がおきたのだろう。
1800年代末に輸入関税法が改正されたことがきっかけといわれ、果物の関税が安く、野菜の関税は高くなってしまったのだ。
トマトを輸入していた商人たちは、このままだとトマトの関税が高くなると焦っていた。そこで、トマトは果物だと言い張って関税を安くしようと思いついたのだ。
1893年、アメリカの農商務省と輸入業者がトマトをめぐって激突したニックス・ヘデン裁判は、1審・2審を経て、ついに最高裁までもち越されたという。その結果は…「トマトは野菜!」
判定の理由は「トマトはデザートにはならないから」。
今ならゼリーやジャムにはなるけれど、当時はトマトのデザートなんて考えつかなかったのかもしれない。
【追加雑学①】日本では果物と野菜の分類に定義はない?
日本ではトマトが野菜か果物かでモメることはまずないけれど、微妙なやつらは他にいる。イチゴ・スイカ・カボチャ・アボカド…これって野菜? それとも果物?
農林水産省の解答を確認したところ、日本では野菜と果物の明確な定義は存在しないそうだ。「生産分野」においては、田畑で栽培される副食物で加工を前提としないこと、そして樹木ではなく草本性であることが野菜の特性であるとされている。
この区分ではイチゴ・メロン・スイカは野菜ということになってしまうのだが、そこはなんと「果実的野菜」という単語で扱っている。どっちの属性もあるよ! ということだ。
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【追加雑学②】イギリスやフランスではトマトは「果物」
イギリス・フランス・そして台湾。トマトを果物として扱う国である。世界的に見れば、もっとたくさんの地域でトマトを果物扱いしているかもしれない。
台湾
台湾では特にミニトマトが果物扱いだ。カットフルーツと一緒にトマトも同じお皿で提供されるし、フルーツ屋台でミニトマトが果物と並んで売られている。
イギリス
オックスフォード大学出版局が発行する「オックスフォード英語辞典」に、トマトとは「果汁が多く赤い薄い皮を備えた柔らかな果物。野菜としても生でも調理しても食べられる」と記載されている。あくまで果物前提だ。
フランス
フランスでは普通のスーパーでもトマトの品種が20~30種類はざらにあるらしく、味わいによって選べる。糖度の高い種類はとても甘いそうなので、果物扱いされるのも納得だ。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。ところ変われば考え方も変わる、ということで、トマトは意外と果物扱いされているのに驚いた。調理手段としては圧倒的に野菜扱いだと思うのだが…。
ミニトマトを砂糖漬けにしたり、トマトのケーキがあったり、最近ではたしかにおしゃれなフルーツ扱いされているのを見かける。筆者的には、塩をふりかけてかじりつきたい派なので、トマトは野菜だと確信している。
最近では台湾人と結婚した卓球選手の福原愛さんが、ご主人とミニトマトが果物かどうかで言い合いになったそうだ。国際結婚したカップルは要注意! 夫婦ゲンカにならないことを祈っている。
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