この地球上には、いろいろな特徴をもった「鳥」がいる。今回紹介するのは、そんななかでも世界最小の鳥。なんでも重さが一円玉2枚分しかないとかなんとか!?
一円玉2枚って…虫かなんかじゃないんだから…と思うところだが、このマメハチドリ…まさに虫のような鳥なのである! いったいどんな姿をしているのか?
今回はそんな世界最小の鳥「マメハチドリ」の雑学を紹介していこう!
【動物雑学】世界最小の鳥「マメハチドリ」の生態とは?
【雑学解説】「マメハチドリ」の特徴は?
世界最小の鳥といわれる「マメハチドリ」。彼らはキューバ共和国にのみ生息する南国の鳥である。
まずは動画でその姿をご覧いただこう! 南国らしく、とっても色鮮やかな鳥だ!
動画後半の人の手との比較を見ると、特にその小ささがよくわかる! 片手で十分握れてしまうほどのサイズだ。
マメハチドリの体長は5cm、重さは2g。これがどのぐらい小さいのか、身近な鳥と比べてみると…
- スズメ…体長15cm、体重20gほど
- セキセイインコ…体長18cm、体重30gほど
スズメもセキセイインコも言わずと知れた小さな鳥の部類だが、マメハチドリは彼らの3分の1以下の大きさである。重さにいたっては10分の1以下…まさかそんなに小さな鳥がいるなんて…。
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マメハチドリの卵は6mmしかない
大人がそれだけ小さければ、ひな鳥はもっと小さいぞ。
マメハチドリは、せっせと蜘蛛の巣や植物などを集めて、自分たちの巣を作る。もちろん巣に入るのは親より小さいひな鳥なので、巣の大きさは約3cmと非常に小さい。
そしてもっと驚かされるのが卵のサイズで、なんと約6mmほどの大きさしかない! もはやうずらの卵の比ではない。鳥が出てきていい大きさではないぞ…。
以下の動画では、ヒナの世話をするマメハチドリの様子が紹介されている。
お腹を空かせたヒナがチッチッと鳴くと、親鳥がやってきてごはんをあげる。とっても微笑ましい家族の姿だ。
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【追加雑学①】マメハチドリが「ハチドリ」と呼ばれる由来は?
マメハチドリの名前は、虫のハチに由来している。
英名にしても「Bee hummingbird(ミツバチ・ハチドリ)」だ。これはサイズがハチに似ているというだけの理由ではないぞ!
鳥といえば、主に虫などを食べているイメージがある。そのイメージ通り、マメハチドリも虫はもちろん食べる。
しかしメインとなるエサは、本来鳥のエサになるはずの虫たちと同じもの。そう、「花の蜜」だ。そういえば前出の動画にも、花から密を吸っているシーンがあった!
花から花へと飛び回り、その長いクチバシで蜜を吸い上げる。花から花へ…といえば、ハチのような蜜を吸う虫たちは、花粉を運び、植物の繁殖を手伝っていたりもするのだが…。
実はマメハチドリにとっても、花の繁殖をお手伝いするのは日課である。マメハチドリという名前も、ハチのような虫たちと同じ役目を果たすことから来ているのだ。
ハチのようにホバリングもできます
小さな羽で羽ばたくその音も、ブンブンとまるでハチの羽音のよう。
マメハチドリは1秒間に50~80回も羽を羽ばたかせ、これまたハチのようにその場でホバリングすることができる。
通常の鳥は翼の下側に風を受け、身体を浮かせるが、ハチドリは翼の上下両側で風を受けて飛ぶのが特徴。鳥類で唯一後ろ向きに飛べるといわれているぞ。
【追加雑学②】マメハチドリが小さい理由とは?
木などとは違って、小さな花では鳥の体重を支えることが難しく、留まって蜜を吸うことはできない。
そのためハチドリは、胸筋と心臓がほかの鳥類より発達し、ホバリングしながら蜜が吸える身体へと進化したのだ。身体が小さいのも、このホバリング飛行をしやすくするため。
ただ、身体が小さいことにはもうひとつ理由があって、それは「蜜の取り合いにならないように」…というものだ。
ホバリング飛行は相当な体力を消費するので、常に花の蜜を吸っている必要がある。大きな鳥が一日中蜜を吸っていれば、そこら中の蜜を吸いつくしてしまうよね…ということだ。
普段見ることはできないが、あの長いクチバシのなかにある舌も、まるでスポイトのような空洞の形になっていて、蜜が吸いやすくなっている!
以下の動画では、マメハチドリの舌が出てくる様子が捉えられている。
その舌の長さにちょっとびっくりさせられるが、よく考えれば、キツツキなどの穴から虫を食べる鳥たちもこんな感じだ。小さいものをエサにする鳥界ではわりと普通なのかもしれない。
マメハチドリはほぼ留まることなく1日中飛び続ける。その体力を維持するために、栄養価の高い花の蜜はもってこい。ほんとによくできたサイクルである。
【追加雑学③】春はマメハチドリにとっても恋の季節
人間界でも春は新しい出会いの季節。進学や就職などで環境が変わる人も多いので、新しく恋が芽生えるなんてことも珍しくないだろう。あーうらやましい。
そしてマメハチドリにとっても、実は春が恋の季節なのだ。
キューバの山々には、春になると花が満開に咲き誇る。こうなると、花粉の運び屋であるマメハチドリも大忙しだ。懸命に飛び回るそのなかでパートナーとも出会い、ペアになると巣作りを始める。
オスたちは自慢の飾り羽をめいっぱい広げて、アピール合戦をするぞ! あの綺麗な色どりにはそういう意味合いもあるのだ!
マメハチドリの雑学まとめ
今回は世界最小の鳥「マメハチドリ」の雑学をお届けした。
とっても小さなマメハチドリの、まるで妖精のような姿を見ているとすごく癒される。彼らはとても人懐っこく、人の手から花の蜜を吸ったりもするんだそうだ…。
キューバに行けば会えるのだろうか? 一度でいいから見てみたいものである。
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