BL(ボーイズラブ)の本を、皆さんは読んだことがあるだろうか? BLモノでは男性同士の恋愛が描かれ、男性同士でキスしたり、イチャイチャするシーンが多々登場する。オタクの女子でこういった作品を好む層が多いらしい。
日本では普通に書店などでも見かけるBL作品だが、なんと中国や韓国では、BL作品を書いてはいけないのだそう。なぜだろうか? 今回は、他国のBL作品についての雑学を紹介していくぞ!
【サブカル雑学】中国と韓国ではBL作品を書いてはいけない
【雑学解説】中国と韓国はBL作品にとても厳しい
中国で、BL小説をネット販売していた女性作家が中国政府の摘発を受け、懲役10年6ヵ月の実刑判決を受けたという事件が起きている。中国はもともと、表現の規制や性描写の規制が厳しいことで知られているが、BLの販売を犯罪だと認定したのだから驚きだ。
中国の政府は、この本について「非常に見苦しい」「変態の極み」などと評し、とても怒り心頭のようだ。罪名は「わいせつ物伝播罪」。このような変態作品を世に公表し、それを販売し私利をむさぼったとして有罪判決を受けた。
たしかに女性はこの販売で200万円以上の利益を得ていたが、BL作品を販売しただけで10年以上の懲役とは、あまりにも罪が重すぎるのではないか。中国は強姦が3~5年、殺人が6~7年の社会だというのに…。
中国がこれだけBL作品に厳しいのは、社会主義国家の思想が背景にあると考えられている。
社会主義では国家全体の利益を増進するために、ひとり一人の国民が自分を犠牲にして行動しなくてはならない。BLはこの社会主義思想に反しているのだ。
どういうことかというと、通常の男女の恋愛では、愛し合ったもの同士が結婚して子供が生まれる。子どもが生まれれば人口は増えるので、国にとっても利益が生じている。しかし、BLではどうしても人体の構造上、男性同士では子どもをもつことができない。
そのため、国に利益を生み出さないので、そういった無益なことはしないでほしい、というのが中国政府の本音らしい。なるほど、たしかに筋は通っている。
お隣韓国はどうなのかというと、こちらも中国と同様、BLへの表現規制が厳しい。日本のBL翻訳にもかなりの修正が入っているようだ。韓国はもともと性に閉鎖的な国家で、同性愛への目も厳しいのだ。
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【追加雑学①】BL(ボーイズラブ)は仏教僧が元祖
BLの元祖はなんと仏教のお坊さんだったらしい。
今もそうだが、仏教が大陸から伝わってきた平安時代、お坊さんの生活は禁欲的で、肉や酒、異性との交わりも禁止されていた。しかしお坊さんも人間なので、欲求を満たしたくなったときがあったのだそう。
当時、さまざまな階層の子どもたちが寺に入って勉学に励み、僧侶のお世話をしていた。こうした見習いの少年のことを稚児といったのだが、この稚児はお化粧をしたり女性の格好をしている存在でもあった。
その姿はまるで牛若丸のように中性的で可愛らしかったので、お坊さんはもう我慢できなくなってしまい、儀式と称して、稚児と一夜をともにしてしまったのだ! これがBLの起源だとされている。
【追加雑学②】韓国軍では同性愛は犯罪
韓国では、民間人のあいだでは犯罪にならないが、軍の法律で軍人の同性愛を禁止している。
実際、韓国の裁判所は、陸軍の大尉にたいし、別の男性兵士と性行為に及んだとして、執行猶予付きではあるが、半年間の禁錮刑を言い渡したという例があった。
人権擁護団体は、この判決を、軍が同性愛を排除するための「魔女狩り」だと批判している。というのも、韓国はもともと保守的な国家なので、同性愛には厳しいという背景があるのだ。
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BL作品の雑学まとめ
BL作品についての雑学を紹介したが、いかがだっただろうか。
中国や韓国はBL作品への規制が激しく、中国では「わいせつ物伝播罪」で逮捕されたケースもあるのだ! しかも殺人よりも重い罪だと判断されたのだから驚きだ。きっと社会主義という国家思想への反逆だととらえられたのだろう。
こうした事情を考慮すると、現代は人々の多様性を認めようという社会の流れになってきているが、世界的にはまだまだBLへの理解は進んでいないようだ。BLを含め、マイノリティが生きやすい世の中へと、早く変化してほしいものである。
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