なにかの拍子で指先を「チクッ」とやってしまったとき。「痛っ」と思ったら必ず指先から血が出ている。なぜだろう。パッと見ただけでは指先に血管なんてなさそうなのに。
どうやら人間の体にはとんでもない長さの血管が収まっているらしい。ということで今回は人間のしくみ、血管についての雑学を紹介しよう。
人間の体にはどのくらいの血管が流れているのか!?
【人体雑学】人間の血管をひとつにつなげると地球2周半の長さ
【雑学解説】体内には毛細血管がいっぱい
成人の体内には約10万キロもの血管が入っている。10万キロなんて言われてもぜんぜんピンとこないので、地球何周分なのか?で表すと、ザックリ2周半。すごすぎて、やっぱりよくわからない。
人間の体内の血管のほとんどは「毛細血管」と呼ばれる細い血管である。
毛細血管の最も細いものは直径5μm(マイクロメートル)。μなんて単位、普通に生活しているとまったく使うことはないが、1/1000mm(ミリメートル)が1μmだ。日本人の平均的な髪の毛の太さが50~150μmというとわかりやすいかもしれない。毛細血管は髪の毛のさらに1/10~1/30の太さ、といったイメージだ。こうなるともはや肉眼では見えないかもしれない。
下の動画を見て欲しい。これは全身に走っている血管を模式的に再現した動画だ。
血管だけを可視化しただけなのに、キレイに人間の形が出来上がっているのが確認できるだろう。
とくに指先は繊細な仕事をするために神経がたくさん走っている。その神経すべてに栄養を与えるためには、しっかり血管を張り巡らせて血のめぐりを良くしなければいけない。というわけで、指先にはたくさん毛細血管が走っている。
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【追加雑学①】人間の血管には動脈と静脈がある
人間の血管には、毛細血管の他に、「動脈」と「静脈」がある。
- 「動脈」とは、心臓から出てきた酸素タップリの血を全身に送るための血管
- 「静脈」とは、体の隅々から老廃物を集めて心臓に持って帰るための血管
動脈は心臓から勢いよく送り出された血が通るので、破れないようにしっかりとした弾力ある構造になっている。動脈が硬くなって弾力を失い、もろく破れやすくなってしまうと「動脈硬化」という病気になる。
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【追加雑学②】病院での採血は静脈で行う
病院で採血をするときに、血管が細くていつもなかなか血が採れないという悩みを抱えている人もいるのではないだろうか?
何度もチクチク刺されるとたまったもんじゃない。「全身に血管が走っているなら、なんで上手く採れないんだ!」と不思議に思うことだろう。
実は病院で採血する時は、毛細血管ではなく静脈を刺すのだ。採血に使う針の太さはどんなに細い針を使ったとしても1mm。針より格段に細い毛細血管を刺したところで、絶対に刺さるわけがない。
また検査の項目にもよるが、最低でも一項目あたり0.5ml(ミリリットル)の血は欲しい。しかし、それだけの血を採血しようと思うと、さすがに毛細血管では全然足りない。検査に使おうとする血を採血するときは毛細血管ではなく、皮下の静脈から採血しないとダメなのだ。
雑学まとめ
人間の体の中には地球2周半という膨大な長さの血管が走っている、という雑学を紹介してきた。人間の体というのは不思議である。
そもそも血管の長さってどうやって測ったんだろう?まさか体の中から血管を持ってきて、ズラッと並べたわけではあるまいし…
まあ、再現動画が作れるということは、科学技術をフルに使ってうまいことやったんだろう…。もし全身の血管の長さを測った方法を「知ってる!」という人がいたら、ぜひそのやり方を教えて欲しい。
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