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"ショック死=びっくり死"じゃないぞ!意味・事例・原因を解説!

zatsugaku

雑学カンパニー編集部

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「ショック死」とはびっくりして死ぬことではないという雑学

あまりにもびっくりしすぎて、「息が止まるかと思った」「死ぬかと思った」「取り乱してパニックになってしまった」。

そんな経験はないだろうか?

私は小さい頃に見た、人がサメに食いちぎられる映像が怖すぎて、何かのはずみに想像すると今でもゾッとしてしまう…。

実際にあんな恐怖体験をしたら、サメに食いちぎられる前にショック死してしまうんじゃないか? なんて考えたらまたドキドキしてくる…。こういうドキドキが行き過ぎると、やっぱり人間は死んでしまうんだろうか?

しかしどうやらこのショック死…びっくりして死ぬことではないというのだ。え!? じゃあショック死っていったいなんのことなの…?

ということで、今回はショック死についての雑学に迫ってみた!

【面白い雑学】「ショック死」とはびっくりして死ぬことではない

科学者くん
ショック死って、びっくりして死んじゃうことだと思ってました!
ダヴィンチさん
医学的に「ショック死」とは、何らかの原因で血圧が急激に低下し、心臓がうまく動かなくなって死んでしまうことだ。びっくりして死ぬことではないぞ。

【雑学解説】「ショック死」の意味と事例は?

ショック死の原因は4つに分けられる

医学でいう「ショック死」の原因は主に4つに分けられる。

「ショック死」の原因

  1. 心原性ショック
  2. 低容量性ショック
  3. 血液分布異常性ショック
  4. 閉塞性ショック

これらはどれもびっくりして死ぬことではなく、血圧の急激な低下が関係している。

血圧とは、要するに血液が流れる力のこと。つまりショック死というのは、身体の血液循環がうまくいかなくなった結果、心臓が機能しなくなって死んでしまうことをいう。

ショック死の原因が4つに分類されているのは、血液循環に異常をきたす原因がさまざまだからだ。

ダヴィンチさん
ひとつずつ説明していこう。
科学者くん
お願いします!

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ショック死の原因①心原性ショック

ショック死の原因①心原性ショックについてのトリビア

「心原生ショック」は、心筋梗塞や脈の乱れで心臓がうまく機能しなくなり、血圧が下がってショック状態に陥ることだ。血液を送り出す器官ということで、心臓の病気はショック死の要因として一番わかりやすい。

心原生ショックは、突然死の原因としても特に多いぞ。

たとえば芸能人だと、マエケンこと前田健さんは「虚血性心不全(主に狭心症や心筋梗塞で発生する)」という病気で亡くなった。

科学者くん
前田健さんの最後のツイートです…。この人が亡くなるなんて…

また私立恵比寿中学の松野莉奈さんは「致死性不整脈」という、心臓の動きが急に乱れて全身に血液を送れなくなってしまう病気だった。彼女はなんと、18歳の若さで亡くなっている…。

ダヴィンチさん
突然亡くなってしまうからな…これは周りも辛い…

ショック死の原因②低容量性ショック

ショック死の原因②低容量性ショックについてのトリビア

事故や怪我で大量出血し、血圧が保てなくなることを「低容量性ショック」という。

ニュースでは「外傷性ショック」「出血性ショック」などのわかりやすい言葉が使われるが、定義からいえばすべて低用量性ショックである。どれも流れる血が足りなくなって死んでしまうわけだ。

最近ではドキンちゃんの声優だった鶴ひろみさんが、大動脈が急に裂ける「大動脈乖離」という病気になり、高速道路上で急死したのが記憶に新しい。

科学者くん
この訃報も驚きました…。

ショック死の原因③血液分布異常性ショック

「血液分布異常性ショック」とは「食べものや薬による急激なアレルギー反応」「細菌が出す毒素の影響」などから血液循環に異常をきたす症状だ。

たとえば「蜂に刺されたら死ぬ!」といわれるのは、「アナフィラキシーショック」というアレルギー反応によって身体の機能に異常が起こるからである。蕎麦など、食べもののアレルギーも症状は一緒なので侮れないぞ。

また、細菌感染で血液にばい菌が入ってしまい、器官の機能不全を起こすことを「敗血症」という。どちらも外部要因で身体の器官に異常をきたした結果、血液循環がうまくいかなくなり、死に至るわけだ。

科学者くん
アレルギーを軽くみてはいけないんですね…!
社会問題となった戦後の「ペニシリンショック事件」

血液分布異常性ショックの事例には、歴史的大事件となった「ペニシリンショック事件」というものがある。

戦後、海外からやってきたペニシリンという抗生物質を原因に、1953~1957年にかけて1,276名がショック症状を発現。うち124名が死亡する事件が起こり、社会問題となったことがあるのだ。

ペニシリンはイギリスの細菌学者・フレミングがアオカビの培養実験から発見し、第二次世界大戦の戦場などで感染症予防に重宝された。

戦後の日本では、これを生産するための良質な菌株をアメリカから入手することができたため、ペニシリンを大量に流通させることに成功した。

そのため1947年ごろから医療機関はもちろん、薬局でも売られるようになり、ペニシリンは誰もが気軽に利用できる薬としての地位を得ていたのだ。

しかしペニシリンは細菌の増殖を抑える効果はあっても、アオカビが発現させる物質であり、身体にとっては異物である。そのためアレルギー反応を引き起こす場合があり、アナフィラキシーショックに倒れる人が多数現れたのだ。

以降は問診などを通し、アレルギーのない人でないとペニシリンを投与してはいけないという対策が取られるようになった。

ちなみに日本で問題が浮き彫りになる以前から、アメリカではアレルギー反応の危険性がよく知られていたという。情報伝達が行き届いていないあたり、海外との交流が未熟だった戦後の時代柄を感じさせられる…。

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ショック死の原因④閉塞性ショック

ショック死の原因④閉塞性ショックについてのトリビア

「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」・「緊張性気胸」など、何らかの原因で、心臓に戻ってくる血液量が減って血圧が下がってしまうことを「閉塞性ショック」という。

特にエコノミークラス症候群は、飛行機で急死する人が出たことでニュースでも騒がれることがあった。

狭い座席に長時間座っていると血液が脚の血管内でとどこおり、血の塊ができてしまう。立ち上がった瞬間にその塊が飛び、肺動脈に詰まってしまうのがその症状である。

車中泊や長距離ドライブなど、これは誰にでも起こりえるショックだ。長時間の運転をする際は、小まめに休憩を挟むようにしよう。

ダヴィンチさん
身近なところに危険はあるんだぞ。

【追加雑学①】恐怖がショック死の原因になることもある

「いやいや、ショック死の定義はわかったけど、こっちが知りたいのはびっくりして死ぬことがあるかどうかなんだよ」

ここまで読んでくれた読者のなかには、そういう人もきっといるだろう。

結論を話すと、「ショック死=びっくり死」ではないが、びっくりすることがショック死につながることはある。

恐怖にさらされた人体の変化は心不全の原因に…

恐怖にさらされた人体の変化は心不全の原因に…というトリビア

仮に「びっくり=恐怖体験」と定義しよう。

恐怖にさらされると、人の身体が臨戦態勢に入ることは誰しも感覚的に知っているはずだ。怖くてガタガタ震えたり、冷や汗が出たり。

科学者くん
たしかに…!幽霊っぽいものを見たときにそうなりました…

恐怖にさらされるということは、逃げるか戦うかどちらかしないと、身に危険が及ぶということだ。

映画などの疑似体験でも身体はそう判断し、副腎という臓器からストレスホルモンのアドレナリンを分泌させる。このアドレナリンは筋肉を収縮させ、血流を早くすることで興奮を促し、身体を臨戦態勢に整える作用をもつ。

一時的なら、これは危機を回避するための武器になり得るだろう。しかし…恐怖がエンドレスに続くとしたらどうか。筋肉は収縮しっぱなしだし、血流もいつもどおりではない状態に長くさらされることになる。

この状態が続けば血流を司る心臓には無理が生じ、心不全という異常を起こす。終いには血液循環がうまく行き届かなくなってしまうだろう。

これはれっきとした「心原性ショック」である。

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2019年イギリス人男性がホラー映画でショック死

近年の例では、2019年に77歳のイギリス人男性バーナード・チャニングさんが、映画の鑑賞中に突然死したという事例があった。

チャニングさんは旅行でタイのリゾートに訪れ、『アナベル 死霊博物館』というホラー映画を観ていた。その上映が終わった際、近くにいた観客が一切動かないチャニングさんに気付き、スタッフが通報するにいたったという。

当時、現場に不審な点などは一切なく、ニュースでは直接的な死因は不明と報道された。しかしこれは普通に考えて、映画が怖すぎたことによるショック死だろう。

ちなみに2016年にも同じケースで、インドにて65歳の男性が死亡している。このときの作品は『死霊館~エンフィールド事件~』。実はこの映画の監督を務めたジェームズ・ワン氏は、前述の『アナベル 死霊博物館』でも制作を担当していた。

…偶然かもしれないけど、この人の作る映画はめちゃめちゃ怖いってこと…? 以下に『アナベル 死霊博物館』の予告編を載せておくが、心臓の弱い人は閲覧注意である。

 

こういったホラー映画や動画などで「心臓の弱い方はご覧にならないでください」というテロップが流れるのは、恐怖体験による身体の臨戦態勢が、少なからず心臓に負担をかけるからだ。

高齢者、もしくは心臓や血管系の持病がある人は、それだけ恐怖体験でショック死にいたる可能性も高いのである。事例を見て見ても、77歳と65歳ということで、いずれも高齢の方が亡くなっている。

ただそういう人以外は、怖すぎて死ぬなんてよっぽどでなければないだろう。

科学者くん
人間の体って不思議ですね…。
ダヴィンチさん
良くも悪くもな…。

【追加雑学②】交通事故死より多い「ヒートショック死」

冬はヒートショック死に注意!

老人がお風呂場で変わり果てた姿で発見された! なんて話は、ニュースなどで聞いたことがあるだろう。俗にいうヒートショック死だ。

これは医学的な分類ではなく、死にいたった状況を表現するための言葉である。

急激な温度差(10℃以上)を受けて血圧や脈が急に変化すると、心臓や血管に大きな負担がかかる。これによって、心筋梗塞や脳梗塞を起こして死んでしまうことがあるのだ。

特に冬場に多く、入浴中に気を失ってそのまま湯船で溺れてしまったり、転倒したりして死亡することが多い。

心筋梗塞なら心原性ショックともいえるし…転倒して脳出血を起こせば低用量性ショックともいえる。分類が難しいので、わかりやすく「ヒートショック死」という言葉を使っているのだろう

ダヴィンチさん
「ヒートショック死」の数は、交通事故死の4倍といわれているんだ。
科学者くん
そんなにですか!?うちのおじいちゃんに言わなきゃ…!

もしご家族に高齢の方がいるなら、脱衣所に電気ストーブを置くなどして、浴室との温度差を小さくする工夫をしよう! ちなみにサウナなんかも温度差が激しいので注意が必要だ。 

「ショック死」の雑学まとめ

「ショック死」とはびっくりして死ぬことではないという雑学のまとめ

今回はショック死についての雑学をお届けした。

ショック死は正確にはびっくりして死ぬことではないが、びっくりがショック死につながる可能性はある…。びっくりして死ぬことじゃないんだよ! と言い切れるような言い切れないような…微妙な感じだ。

特におじいちゃんやおばあちゃんのような心臓の弱い方だと、その可能性も高くなってくる。身体に悪いことは間違いないので、くれぐれも驚かさないように!

ダヴィンチさん
君は大丈夫だと思うが…
科学者くん
僕はいい子なので大丈夫です!
ダヴィンチさん
自分で言うのね…

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