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To.レミゼ作家。世界一短い手紙のやり取りがカッコよすぎ【ヴィクトル・ユーゴー】

zatsugaku

雑学カンパニー編集部

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世界一短い手紙をやりとりしたのはヴィクトル・ユーゴーとその出版社という雑学

遠く離れたところにいる相手に自分の気持ちを伝えるツールは、このご時世、さまざまな方法がある。伝えたいときにすぐに送れるメールやライン、SNSでのメッセージ。声が聞きたいなと思えば電話もできる。

一方、昔ながらの手紙の文化も根強いものはあるが、今となっては少々ハードルの高いイメージに変わりつつあるのではないか。

手紙というと、ラインのようなスタンプも、絵文字もないし、意志を伝えるためにしっかりと文章を書かないといけない気がしてしまう。しかし…それはひょっとすると思い込みかもしれない。

今回の雑学を知れば、手紙のイメージがちょっと変わるはずだ。ということで、フランスのとある作家と出版社のあいだで行われた、世界一短い手紙のやりとりを紹介しよう!

【歴史雑学】世界一短い手紙をやりとりしたのはヴィクトル・ユーゴーとその出版社

信長さん
この話、超カッコいいぞ。お互いに送り合った手紙の文字数は、1文字ずつだ。
秀吉くん
は!? 1文字じゃなにも伝わらないっすよ!?

【雑学解説】あらゆるムダを取り除いたやりとり

世界一短い手紙を出したユーゴー

ヴィクトル=マリー・ユーゴー

送り主は、聞いたことがある人も多いだろう『レ・ミゼラブル』の著者、フランスの詩人・小説家であるヴィクトル=マリー・ユーゴー(Victor-Marie Hugo)である。そしてそのヴィクトル・ユーゴーからの手紙を受け取ったのは『レ・ミゼラブル』を出版した出版社である。

ヴィクトル・ユーゴーの手紙

「?」

出版社の返事

「!」

たったのこれだけだ。

1862年に『レ・ミゼラブル』を出版したヴィクトル・ユーゴーは、自身の日頃の労をねぎらうためか、海外旅行に出かけていた。でもやっぱり本の売れ行きが気になりソワソワを抑えきれず…かどうかまでは不明だが、旅行先から出版社に手紙を送った。

ユーゴーは便せんの真ん中に「?」のみを書いて送った。そしてそれを受け取った出版社は、これまた便せんの真ん中に「!」のみを書いて返信したのである。

つまり…

ヴィクトル・ユーゴー

「ボクの本、売れてるかなぁ?」

出版社

「めっちゃ売れてますよ!」

というやり取りを、彼らはお互いにたった1文字で行ったということだ!

秀吉くん
か、かっけえええええ!!

なんて無駄がないんだ!

…と、思ったけど…こんなラインスタンプのようなやり取りをわざわざ手紙で行っていたと思うと、ちょっと郵送料が無駄な気もしないではない。

『レ・ミゼラブル』は幾度となく映画化されてきた不屈の名作

せっかくなので、このときの作品についてもちょっと触れておこう。

ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』は20世紀以降、何度となく映画化・ミュージカル化されてきた名作である。

囚人として19年間捕まっていた男が、とある出来事をきっかけに生き方を悔い改め、聖人となるまでの生涯を描いた感動のストーリー。当時のヨーロッパ事情などが詳しく描写されているのも、魅力のひとつだ。

ぜひ映画などで一度観てみてほしい! 以下は2012年に公開されたヒュー・ジャックマン主演のレミゼの予告編だ。

本好きの人は、小説も合わせて読んでみるともっと楽しめるかも。

【追加雑学①】世界一短い手紙の記録は破られている?

ある説では、世界一短い手紙の記録はヴィクトル・ユーゴーがもっていたけど、もう破られてるよ! という話もある。

当時のソースなどは残っていないが、1960年ごろのイギリスにて、ストライキ中の部下から上司にこんな手紙が送られたという。

「拝啓」「敬具」だけ。

もちろん英語なので言い回しは違うが、意味はこれと同じである。要するに誰に宛てたものか、誰から送られたものかのみで、肝心の中身は空白だったということだ。

「ストライキ中だから沈黙を守っているけど、あなたへの信頼は変わりませんよ」

という意図があるという。決してお絵かきコーナーではない。

拝啓と敬具を文字数に含めるなら、これは世界一短いとはいえない気もするし…、内容だけなら世界一短いといえる気もする。うーん…微妙な線である。

【追加雑学②】「?」・「!」マークはどこからきたのか?

それぞれの手紙の真ん中に記された「?」と「!」。これらの由来についても辿ってみよう。

「?」マークの由来

クエスチョンマーク・耳垂れ・はてなマーク・インテロゲーションマークとも呼ばれるこのマークの由来には諸説がある。

  • ラテン語説①:ラテン語の「quaestio」の最初の「q」と最後の「o」を縦に重ねた合字
  • ラテン語説②:ラテン語で文末に書かれていた「.~」が変形した
  • 猫ちゃん説:スマートな犬と違ってぼんやりしている猫の後ろ姿から作られた(曲線はしっぽ、点はお尻の穴)
  • 発音記号説:文末を表す記号「.」に、語尾を上げる発音を表している「~」を組み合わせた、疑問文の文末表記「.~」を記号化した

うーん…どれも捨てがたいが、猫の説が本当だとしたら、お尻の穴を書くのはちょっとあからさますぎないか…。わかりやすいけどね。

「!」マークの由来

雨垂れ・ビックリマーク・エクスクラメーションマーク・バン・スクリーマーなどと呼ばれる「!」も、由来の説はさまざまだ。

  • ラテン語説:ラテン語で喜びを表す間投詞「 io」の2字を縦に重ねた合字
  • 人の様子説:人がびっくりして飛び上がる様子から作られた
  • 猫ちゃん説:猫がびっくりして尻尾がピンと立っている後ろ姿

おや、ここでも猫が出てきた。ぼんやりしている猫が「?」で、びっくりした猫が「!」というのは、なんかしっくりくる気がするぞ! …でもお尻の穴…。

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【追加雑学③】日本一短い手紙は…?

日本一短い手紙で有名な本多重次

本多重次

世界一短い手紙を読んだので、併せて「日本一短い手紙」も読んでおきたい。

本多重次

「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」

手紙というより短歌みたい!

これは、戦国時代の武将・家康の家臣であった本多重次(ほんだしげつぐ)が、長篠の戦いの陣中から妻に送った手紙である。

「一筆啓上」は相手を敬う気持ちを表した文、妻を尊敬しているよという表現で、「火の用心」はそのまま。当時の建物はほとんどが木造であったため、燃えてしまうとひとたまりもないから気をつけよという意味だ。

続いて「お仙泣かすな」は、彼の5人の子供のうち「仙千代」が唯一の男の子であったため、より大切にせよという意味。最後の「馬肥やせ」は、武士にとって戦場で命を預ける馬の世話を怠りなくせよ、という意味が込められている。

たった4つの文脈だけで、妻に敬意を払いつつ、必要なことを超コンパクトにまとめたこの手紙は、現代の手紙の実用書手本としても用いられている。しかし実は原文は異なり、上で紹介したものはちょっとスマートに表現したものである。原文はこうだ。

「一筆申す 火の用心 お仙痩さすな 馬肥やせ かしく」

これでも十分にコンパクト! そしてスマートバージョンより風情がある気がする。

雑学まとめ

今回は世界一短い手紙についての雑学を紹介した。お互いの手に渡るまでにいろいろな過程を旅をした2文字。信頼関係がしっかり結ばれていて、なんともソリッドで粋なやりとりだろう。…郵送料のことを言うのは野暮である。

ダラダラと気持ちを書き綴ってしまうことも多々あるが、時にはシンプルな手紙を書いてみるのもありかもしれない。そんなことを言ってるくせに長々と書いてしまい、ここまで読んで下さって「あ」。

信長さん
お礼はしっかり言えよ…

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