日本でレタスといったら、いわゆる丸い「玉レタス」が主流である。しかし、レストランなどではサニーレタスが出てくることがある。
1枚ずつ剥がす手間がなくて便利だし、赤色をしているサニーレタスは見栄えもいい。おまけに名前もおしゃれだ!
ところが、サニーレタスという名前は、日本独自のものであることをご存知だろうか? 今回は、サニーレタスの雑学について紹介していく。
【食べ物雑学】サニーレタスの由来とは?
【雑学解説】サニーレタスの由来は日産の車名
まずはサニーレタスの特徴について解説していこう。サニーレタスは成長しても球状にならない「葉レタス」である。玉レタスのように1枚ずつ剥がす手間がない。
もう1つの特徴として、サニーレタスの葉は独特な赤色をしている。発売当初は「こんな赤いレタスが売れるわけがない」といわれていた。
さて、これを踏まえた上で、サニーレタスの由来についてみていこう。
1971年11月、サニーレタスは「レッドレタス」という名称で初出荷される。その後レッドレタスは徐々に浸透していくのだが、ある日、料理研究家の江上トミ氏から「レッドレタスは語呂が良くない」とダメ出しされてしまうのだ。
開発者が新しい名前を考えていたとき、たまたま当時流行っていた大衆車「日産サニー」が目の前を通る。赤い日産サニーはレッドレタスのイメージとよく合っていた!
突発的に「サニーレタスでいいや」と思い、レッドレタスからサニーレタスへと名前を変更した。この後、サニーレタスは全国的に普及していくことになる。
「日産サニー」ってどんな車?【動画】
こちらは、サニーレタスの由来となった日産サニーの動画だ。日産自動車が1966年から2004年まで製造・販売していた。
赤いところしか共通点はなさそうだが、当時の大衆車ということで「サニーレタスも多くの人たちに愛されてほしい」という想いが込められていたのかもしれない。
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【追加雑学①】サニーレタスはどうやって生まれた?
少し話を遡ってみよう。そもそもサニーレタスはいつ頃に誕生したのだろうか? 答えは1965年頃である。
日本で最初にサニーレタスの研究を始めたのは、愛知県で農業を営んでいた朝倉昭吉氏である。これからの時代に合った野菜を模索していた朝倉氏は、海外から「プライズヘッド」という葉レタスを輸入して研究に励んだ。
シェフが葉レタスを1枚ずつ剥がす光景を目にした朝倉氏は、「それなら剥がす手間がない葉レタスのほうが業務用としては適しているのではないか」と考えた。そして、朝倉氏のこの読みは的中する!
最初は青果卸売業者から全く相手にされなかったサニーレタスだが、外国人やレストラン関係者を中心に少しずつ支持を得ていく。そして解説してきたように名称変更などを経て、全国的に普及していくことになるのだ。
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【追加雑学②】サニーレタスは商標登録されてない?
意外なことに、サニーレタスという名前は商標登録されていない。正確には、商標登録を出願したが、審決により拒絶された過去があるのだ!
拒絶理由は「サニーレタスは商品の普通名称であること」だった。サニーレタスはすでに一般的な名称と認識されるので、商標登録はできないという理由だ。
サニーレタスの雑学まとめ
今回は、サニーレタスの雑学について紹介してきた。まさか当時の大衆車から名前をつけたなんて驚きだ! あまりにも安易な気もするが、結果的にしっくりきている。
今度レストランなどでサニーレタスが出てきたときは、ほんの少しだけ今回の話を思い出してほしい。場を盛り上げるための小ネタとしてもおすすめだ。
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