筆者は子どものころ、プールで溺れかけたことがある。鼻から水がいっぱい入ってきて猛烈に痛かったのだが、無事に父に救い上げられた。あの経験は忘れがたい。
当然だが、人間は水中で臭いをかぐことはできない。鼻から水が入ってきて終了である。水中の生物はどうしているんだろうと思い調べたところ、なんと魚には鼻の穴があるというではないか。
しかも4つ。4つ?
そう、実は魚には鼻の穴が4つある。人間は一対として2つの鼻の穴があるが、どうして魚には4つも鼻の穴があるのだろうか。今回の雑学では、この謎について取り上げていこう!
【動物雑学】魚には鼻の穴が4つある
【雑学解説】魚の鼻スゴイ!人間よりも高度な嗅覚で水中の匂いをキャッチ!
人間は空中に溶け込んだ匂いの分子をキャッチしているが、魚は水中に溶け込んだものをキャッチしている。匂いをかごうとすると当然鼻の穴から水を吸い込む必要がある。
魚は常に泳いでいるので、正面からの水圧がかかり、もう一度鼻の穴から水を排出するのは難しい。このため、「前の鼻の穴から吸って後ろの鼻の穴から出す」というシステムに進化したのだ。
水に溶ける匂い分子は非常に繊細で、魚は人間の嗅ぐことができない匂いでも察知できる。たとえば金魚は嗅覚が犬と同じくらいかそれ以上ともいわれていて、金魚のエサが独特の匂いがする理由は、エサの食いつきをよくするためなのだそうだ。
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金魚をよくみると鼻の突起が4つあることが分かるだろう。魚の中でも「トラウツボ」というウツボの種類は鼻の穴が4つあるのが分かりやすい。前に小さな突起が2つあり、まるでツノが生えているような後ろの突起2つも鼻の穴だ。
トラウツボの動画で確認!立派なツノ?いえいえ鼻の穴です
トラウツボもペットとして飼育するとよく人に慣れるらしい。この動画は鼻の穴が4つあることがものすごく分かりやすいので見てみよう。ナデナデされるウツボが妙に可愛い。
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【追加雑学①】恐ろしい…!サメの鼻の匂い探知能力は半端なかった
海の中は光がにぶく薄暗い状態だ。そんな中でエサをみつけるためには、嗅覚が発達していなければ生き残れない。
中でも恐ろしいのがサメ。昔サメの恐怖映画を観たことがあるが、本当にあの勢いで群がってくるというから恐ろしい。サメは何百メートル離れていても、血の匂いは1滴で察知して全速力で泳いでくるのだそうだ…逃げてー!
いわれてみれば、サメの印象は尖った鼻先に大きな鼻の穴。あの鼻で獲物がケガしていることを嗅ぎ分けて、襲ってくるのだ。
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【追加雑学②】魚だけじゃない!人間も実は鼻の穴が4つある
すべての生き物は海の中からうまれた、という進化説は正しい。実は人間にも鼻の穴が4つある。
進化の過程で後ろ2つの鼻穴は小さくなり、表から見えなくなってしまった。今では「涙点(るいてん)」と呼ばれていて、目頭の粘膜にポツっと開いている小さな穴である。
涙点は鼻涙管(びるいかん)で鼻の穴の奥と繋がっているので、泣いたときに鼻をかみたくなってしまうのは、涙と連動しているからだ。
ちなみに、日本人は鼻涙管が退化しているが、欧米人は鼻涙管が太いまま。このため、泣くと涙があふれて「涙をふく」日本人に対し、欧米人は泣くと「鼻をかむ」のだそうだ。進化って不思議…。
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雑学まとめ
魚の鼻の穴が4つあったこともビックリしたが、実はわたしたちにもそれが残っていたとは。女性なら化粧するときに気がついていると思うが、男性も注意深く見てみよう。目頭側の粘膜に小さな鼻の穴(そう思うとちょっと微妙)が開いている。
調べていて一番衝撃的だったのは、クジラの雑学だ。体格が大きいクジラ、鼻の穴も当然大きい。過去に、クジラの鼻の穴に他の魚が詰まって窒息死したという事例がある。
クジラは潮を吹く部分が鼻の穴で、数は2つ。他の魚類のように鼻の穴が4つあれば、もしかしたら助かっていたのかもしれない。なんともかわいそうな話である。
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