ウナギといえばニョロニョロと動き、黒い背中と白いお腹が特徴的。ウナギが大好物という人も多いのではないだろうか。
ウナギ=黒、というイメージが強いと思うが、実はこの黒い背中は日焼けのせいだというのだ。ウナギが日焼け? 冗談でしょ? と思う人もいるだろう。その気持ち、わかるぞ。
そこで今回は、ウナギの背中が黒い理由についての雑学を説明していこう。ぜひ、ウナギをイメージしながら読んでほしい。
【動物雑学】ウナギの背中が黒くてお腹が白いのはなぜ?
【雑学解説】ウナギの背中が黒いのは日焼けのせい!?
ウナギが生まれたときは黒い色ではない。生まれたばかりのウナギは「シラスウナギ」と呼ばれており、このころは透明な体をしている。では、いつから黒くなるのか?
ウナギが黒くなるのは、ウナギが川にたどり着いてから。ウナギは川にたどり着くとまずお腹が白くなり、そこから体の成長とともに少しずつ背中が黒くなっていく。そして最終的には、見慣れた黒いウナギになるというわけだ。
え? なんで黒くなるのかって? ウナギが黒くなるのは、人間と同じく紫外線の影響を受けているからといわれている。
海にいるあいだ、ウナギは深い場所を泳いでいるため、紫外線の影響はほとんど受けない。しかし、川は海のような深さは当然ない。そのため紫外線の影響をモロに受けてしまう。
そこで、紫外線の影響を少しでもなくすため、人間と同じようにメラニン色素が作られ、日光を浴びることで日焼けして黒くなっていくというわけだ。ちなみに、ウナギが黒くなるのにかかる時間は、川にたどり着いてからおよそ5年といわれている。
ウナギも人間と同じように日焼けをするなんて、なんとなく親近感を覚えてしまうのは私だけだろうか。
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【追加雑学①】ウナギのヌルヌルには体を保護する役割がある
ウナギを触ったことがある人は分かると思うが、ウナギはとにかくヌルヌルしている。あんなヌルヌルいらないよ! と思うかもしれないが、実は大切な役割がある。
ウナギのヌルヌルは、たんぱく質の1種である「ムチン」や「ムコプロテイン」という成分が分泌されていることが原因である。このムチン・ムコプロテインには、ウナギの皮膚呼吸を助けるため体の水分を保つという非常に重要な役割があるのだ。
それだけでなく、ウナギの体の内・外側の浸透圧も調整してくれるという優れモノだ。この成分のおかげで、環境が全くちがう海水と淡水でもウナギが生息できるというわけである。
ウナギの血液には毒があるから注意!
ウナギって、どうして刺身で食べないんだろう? と疑問に思ったことはないだろうか。
実は、ウナギの血液には「イクチオヘモトキシン」というたんぱく性神経毒が含まれているのだ。命を落とすような強い毒ではないとはいえ、大量に摂取すると呼吸困難や下痢・嘔吐といった症状が出る。
さらに傷口や目・口に血液が入ると炎症が起こり、焼けるような非常に激しい痛みを伴うという。目に入ると失明の可能性もあるというから、調理をするときは十分注意したい。
しかし、安心してほしい。この毒は60℃以上の加熱調理をすれば毒素がなくなる。つまり、加熱調理されたウナギのかば焼きや天ぷらといった料理では、毒の心配をしなくてもいいということだ。
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【追加雑学②】関東・関西でウナギのさばき方が違う
ウナギの調理では当然、ウナギをさばくところから始まる。このさばき方、関東と関西で次のような違いがあるのを知っているだろうか。
・関東…背開き
・関西…腹開き
上の動画はどちらも、職人技で素晴らしい手つきだ。ウナギを食べるときは関東・関西どちらかを意識しながら食べるのも良いかもしれない。
雑学まとめ
今回はウナギにまつわる雑学をご紹介してきた。ウナギも人間と同じように日焼けして黒くなるなんて、なんとも親近感がわくではないか。
ちなみに、ウナギが美味しく食べられる旬の時期は初冬。この時期のウナギは産卵の準備に入るため、通常よりも食欲が出てその分栄養が蓄積され味も良くなる。より美味しいウナギを味わいたい場合は、旬の時期も気にしてみるといいだろう。
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